家族葬で出席人数に限りがあるので、弔問できない人のために安置室での面会日を2日取ってある。事前予約をしてもらった。今日は故郷岩手の幼なじみ2人と、アパート時代の友人6人、スーパー勤務での同僚が1人が訪れた。

葬儀でないので地味な服装で行ったら、皆さん喪服だった。午後の面会では礼服を着て出かけた。やはり、身なりはきちんとしないといけない。おしゃれだった妻から叱られそうだ。妻はエンバーミングを施されてきれいな顔になって戻ってきた。子供2人にラインで画像を送ると、娘は化粧しすぎと気に入らない風だったが、私はきれいだと思った。

幼なじみの2人は都内在住で、ほかに同級生から預かった香典を5通いただいた。帰宅するとさらに2人から書留で香典が届く。難病のことを知らせたのはごくわずかだったはずだが、昨年11月に開かれた古希を祝う同窓会の幹事に、妻に内緒で寄せ書きを依頼していた。その集まりで妻の病状が広く伝聞したようだった。

明日はスーパー勤務時代の同僚が15人、大挙して面会に来る予定である。弔問に来た人と少し話をすることができたが、妻は誰に聞いても人気者だった。これほど慕われていたとは思わなかった。好かれる人ではあったが、私の想像を超えていた。

妻を愛することにかけては人後に落ちないと自負しているが、妻の性格を奥深くまで理解していなかったのかもしれない。趣味趣向は違って当然で、デートをしたのは結婚前だけである。2年前に同じ映画館でばったり出くわしたことがあって、そのことをLINEで娘に吹聴しているのを読んだことがある。自由時間はお互い干渉しないのが暗黙の了解だった。今から思うと、もう少し労わってあげるべきだった。

 

パソコンのデスクトップ画面とスマホの待ち受け画面を妻の画像でいっぱいにした。PCのほうは10枚くらいの画像を使ってコラージュを作った。キーボードを叩いている私を妻が見つめている。人に会って妻の話をするたびに泣いているのは昨日も今日も変わらないが。