がんにならないと勝手に思っていた私

同じ頃がんになった叔父もそう言っていた

私はがんになって1年が経ち

心の準備も身の回りの整理も落ち着いてできるようになった

救いは
がんになったのが私だったこと
私で良かった

夫や子ども、両親や弟妹だったら耐えられない
きっと
心休まる日はなかったと思う

そして そんな思いを両親たちにさせていることが申し訳ない

いつも私を思ってくれて
遠いところ
76才なのに運転して
手作りの無農薬野菜を
毎週持ってきてくれる両親に
心から感謝している

父と母の子に生まれて良かった
幸せだった
かわいい弟と妹が兄弟で
本当に幸せだった
自慢の弟妹

私の親友たちも元気で輝いている
みんな裕福で良かった
私は裕福じゃないけれど
不思議と周りの人たちはみんな裕福

良かった

病気だったり
困窮している人がいたら
きっと
私は自分の持ってるもの以上に尽くしてしまう

子どもの友だちの複雑な事情に耐えきれなくて
自分の子のように尽くしすぎて
夫に注意されたこともある

毎日 夕方遅く
エントランスで親の帰りを待っている小さな子どもさんにパンや飲み物を渡して
数日後には家にあずかろうかと迷っていたら
夫は
それぞれの家庭には事情がある
勝手なことをして
どこまで責任が持てるのかと
諭されたこともある

つい子どもの身になってしまう
自分がその子の立場だったら
近所の顔見知りのおばちゃんに頼りたい
誰かに気付いて欲しいと
きっと思う

今はこども食堂や放課後児童クラブがある
それでも
誰にも気付かれない”事情”を抱えたこどもがいる

そんな子どもの集う
あったかい場所になりたいと思った


同じ頃がんになり
同じ頃手術した叔父が衰弱している
昨年秋頃から入院しているが
弱る一方だと聞いた

今日は会いに来てくれた両親が
叔父の見舞いに行くというので
作りたての最強のスープを持っていってもらった
もう
酸素吸入して
点滴だけで寝たきりになっているという
どうか
スープを飲んで
少しでも飲めるように
食べられるようになって欲しい
一緒に生きて欲しい