癌と宣告されたとき
お迎えが来たのだと思った
私は死ぬんだ
この世での修行は終わったと
卒業だと言われた気がした
心不全や交通事故で突然亡くなる方もいる
心の準備や片付けをする時間が与えられただけ
ありがたい
家族は誰一人私が死ぬなんて思ってないけど
私は癌になった以上
今までより元気に生きていく自信はないから
転移や再発をしないで
静かにひっそりと数年でも生きられればいい
「私、60まで生きてるかな?」
60まであと8年
子どもは今年大学生になったばかり
「生きてくれないと困るよ。成人式も結婚式も出産の時だって僕ひとりじゃできないよ。」
夫は穏やかに言う
生きられるかな
76の両親は気をしっかり持て
元気になるって思うことが大事
絶対に治すって思いなさい
私も元気な時はそういう気持ちになれるけど
弱って治療している苦しい時は
自分が何のために生きているのか
生きてて意味があるのか
なんて考えてしまう
なのに
さっきも
長生きするご長寿食
健康にいい卵、コーヒー、牛乳
なんて番組見てメモっている自分がいる
やっぱり母だから
美味しくて身体にいいものを
作って食べてもらいたい
料理に自信はないけど
気持ちだけはわかってね