一週間前、午後2時46分 | FLAP JACK!

FLAP JACK!

日常を愉快にしたりほんのり幸せにしてくれるものたちを紹介。

こちらの揺れは、大したことはありませんでした。
でも長かった。
いつまでも続く長さに、被災者という言葉はふさわしくないけれども、部外者とも違う。
そんな位置で経験した16年前を思い出し、恐怖と不安がピークに達したあたりで止まった。
真っ先に浮かんだのは、東京にいる友人や会社の先輩。
けれども、連絡はできなかった。
発生した時間帯からいって、ほとんどの人が身内や大切な人と別々の場所にいたはず。
黙々と、パニックになることもなく、自宅や帰る場所に向かう人々。
そのなかに、東北に縁のある人はいっぱいいただろう。
東京だけではなく、日本全国にも。
あの瞬間から、いったいどれだけの人がどんな思いで、大事な人と連絡をとろうとしているのか。
そんなときに、私が連絡をとるなんて言語道断。
迷惑以外の何者でもない。
そう思って、祈るような気持ちでテレビを見つめていた。
翌日、“もう二度とこんな新聞は読みたくない”。
かつてそう思って眺めた新聞よりも、悲しい言葉が並んだ新聞。
それに、いつもの週末と同じように特売のチラシが折り込まれていたこと。
街に出ても、何ら変わりがなかったこと。
そのときに感じた気持ちは、最前線で救助と救援にあたっている人がいちばん感じている。
だから、敢えて口に出したり、ここに書くこともしません。
いろいろな意味で私は“圏外”の人間だから。
それでも、“頑張れ”ではなく、“一緒に”
何が起こっても、生きている限り、続いていくものがある。
細く長く、自分のできる方法で、並走します。