図書館の新刊棚でふと目にとまって、借りてきたこちらの本。
馬場のぼる ねこと漫画と故郷と
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『11ぴきのねこ』は私が子どもの頃読んでいたし、『きつね森の山男』や『おおかみがんばれ』を子どもが気に入って、何度も読んでと持ってきていたし、保育士さんの講座で好きな絵本を持ってきてもらうと、なぜかどの会場でも『11ぴきのあほうどり』をどなたかが持ってきてくださっていた。
そんな馬場のぼるさんに興味を持って、ちょっと読んでみるか~くらいの軽い気持ちで手に取ったのだけど。
これが。
すごい。
何がって。
馬場のぼるさんが。
そしてこの本に紹介されている馬場のぼるさんの絵が、スケッチが、漫画が、文章が、故郷が、人生が。この本に原稿を寄せている人が、馬場さんを温かい気持ちで綴っているのがよくわかる。
思わず一気に読み進めてしまう魅力が(そしてブログに書かずにいられない魅力が!)、この本にはぎっしり詰まっています、本当に。
11ぴきのねこシリーズは昔からあるよね~と思っていたけれど、なんと昭和2年生まれの方で、戦争中の10代の頃に軍に所属して、特攻の訓練まで受けていたというのだから驚きだ。
そんな軍国少年が、戦後に『11ぴきのねこ』のような作品を描けるんだなと思うと、人間の奥深さを感じます。
実は、私自身は『11ぴきのねこ』以外の作品を、それほど積極的に子どもに読んだ記憶がなくって。
きつね森の山男
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おおかみがんばれ (新ユーモア絵本)
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上の2冊も、実家や自宅にあって子どもが選ぶから読んでいただけで、それほどおもしろいとも思わなかった。
でも、結局、子どもの感覚はすごいってことなんだろうな~。
私が感じられなかったユーモアや、動物に投影されている人間のおかしみや、言葉にしなくてもよい作品の力を、確かに感じていたんだろうね。
たまにぶつかるこの問題。
大人の私が「いい」と感じる本と、子どもたちが「いい」と感じる本が一緒ではないこと。
たぶん私の方が、子どもに学ぶことがいっぱいあるんだろうな~
私は基本的には作家論は嫌いで、作品は受け取ったものの解釈でいいのだし、その作品を作家がどんな気持ちでつくっただとか、背景はどうだとかは関係ない、と思っています。
でも、作家を知ると改めて作品に触れたくなるのも本当。
(結局ミーハーなんだよね)
馬場のぼる作品を、改めて読んでみようと思います