- しーっ (あかちゃんといっしょ0・1・2)/たしろ ちさと
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うさぎさんが、おしゃべり中のカナリヤさん達に「しーっ、しずかにしてくださーい。」
「なぜかっていうとね…」ごにょごにょごにょ。
カナリヤさんが、ラッパを吹こうとしたリスさんに「しーっ、しずかにしてくださーい。」
「なぜかっていうとね…」ごにょごにょごにょ。
今度はリスさんがぶたさんに、ぶたさんはぞうさんにと伝言ゲームのように「しーっ」が伝わっていって…
みんなが覗きこんだのは、すやすやお昼寝中のうさぎのあかちゃんたち。
「あかちゃんがねむっているからね」
私は、あかちゃんに読むというよりも、子育て中のお母さんお父さん、それを見守っている人々にぜひ読んでほしい。
あかちゃんが眠っているから静かにする。
それだけのこと?と思うかもしれませんが、親にとってはあかちゃんが寝るということ、それを妨げられるということがどんなに意味をもつことか…。
私も、子どもが昼寝しているときに「ピンポーン」と宅急便が届くと、起きないか焦ったり、起きてしまったとがっくり肩を落とす、なんてことを経験しました。
その当時住んでいた団地のお向かいさんは、「あかちゃんが寝ているのでチャイムを押さないでください」とメモを貼っていらっしゃいましたもの。
この絵本に登場する動物たちはみんな優しい。
まず初めに呼びかけるのはうさぎのお父さん。そう、お母さんでなくお父さんなんです。 - 「うるさい、静かにしてっ」と怒っているのではないんですよ。「静かにしてね」と、協力を呼び掛けている。私もこんなふうになりたいわ。なんだかお父さんの大きな愛を感じます
そして、周りの動物たち。昼寝をしているあかちゃんのため、お父さんとお母さんのため、自分が静かにするだけでなく、「静かにしようよ~」と他人にまで呼びかけてくれるんです。自分の子どもでなくても大切に感じているんでしょうね。
ああ、こんなふうにあかちゃんとその親を見守って応援してくれる人がたくさんいたら、どんなに嬉しいだろう。社会全体がこういうふうだといいなあ。
そんな気持ちも込めて、読みました。
ぜひ読んで、心をほっとさせてくださいね。
先日の児童センターベビマサークルのときにも紹介しましたが、この絵本は本当に心がほっとする一冊。