Yumi Katsura シンガポール コレクション
感動の冷めやらぬうちにと思い、これを書いています。
10月15日(火)夜 9時30分、Yumi Katsuraのショーは始まりました。
会場は、シンガポールのマリナ・ベイサンズ・ホテルのボールルームです。
およそ700名の観客が集まり、450席の座席には座りきれず多くの方が立ち見をしていました。
多分昨年のショーが評判を呼んだものと思われます。
バックヤードでモデルのフィッティングを手伝おうとしていた私にスタッフが、
「もう2回のリハーサルで見てもらったので大丈夫です。客席に出て下さい」
と言ってくれたので、私は新任の竹内大使の隣りに座らせて頂きました。
AUN J オーケストラの太鼓、三味線、琴の演奏でショーは始まりました。
私が今、日本の友禅を現代ファッションにいかせると懸命に取り組み、パリ・東京・大阪の直営店で販売しているYumi Yuzenの11着を披露しました。
「どこで買えるの?」 「お値段はいくら位かしら?」と囁いている何人かの女性の声が耳に入りました。
続いて、白いミニドレスの登場です。
音楽は、何かの変化を予想させるちょっとミステリアスなものを選びました。
ランウェイを正面まで歩いたモデルがターンして8メートル。
黒いリボンを抜くと華やかなロングドレスに変身。
大きな拍手が沸きました。
次に3着のカラフルなイブニングドレスがランウェイに並び、一斉にボタンを外しベルトを抜くと真っ黒のドレスにチェンジ。
ここでは一層大きな拍手が沸きました。
そして、1点ずつ様々なテクニックを駆使したイブニングドレスを7着披露。
続き、3着の新しい感覚のYumi Japan
薄いオーガンジーのかつぎをかぶったサマースタイルのオールスパンコールに光輝く打掛が登場。
シンガポールの人には、こんな感覚の着物を目にしたことは初めてだったのでしょう。
場内割れんばかりの拍手が沸きました。
そして、私の専門のウエディング・ファッションです。
2着のユミラインと5着のビッグラインのドレスを披露しました。
いよいよラストは長いショルダートレーンのドレス。
モデルが、センターでランウエイを引き返したところで場内が暗転に。
白いトレーンにシンガポールの象徴であるマーライオンと此処マリナ・ベイサンズ・ホテルが、緑色に浮かびあがりました。
拍手が起こりかけた途端ブラックライトが点くと、中間に若い男女の抱擁する姿が浮かび上がって空には花火が輝きました。
ここで私はシンガポールの国歌を流し、フィナーレの20人のモデル達はシンガポールの国旗をもって登場。 私もシンガポールの旗をかざしてお礼のお辞儀を繰り返しました。
場内は総立ち、いつまでたっても拍手は鳴り止みません。
私はランウェイを降りて、前列の一人一人と握手をしておりましたが、誰一人会場を立ち去ろうとしません。
何人かの在シンガポールの日本人の方たちが、
「日本の誇りです」
と、言って下さったのが耳に残っています。
「ああ、私は48年という間、ずっとこの言葉を目標に頑張ってきたんだ」
という気がしました。
そしてこの頑張りは、私の会社のスタッフそして全日本ブライダル協会(AJBA)の美容師の方々の協力なくしてはなり得ませんでした。
さらに私たち一同が頑張れたのは安倍総理の励ましのお言葉でした。
「これまで欧州にしかなかったオートクチュール協会が、アジアン・クチュール・フェデレーションとしてアジアにも発足し、フランスオートクチュール協会やアメリカファッション協議会と連携をとりつつ、アジアのファッション業界の発展に貢献する活動をされるということは画期的な試みであるとおもいます。
今後の発展を祈念します。」
このメッセージで日本のみんなは頑張れたと思います。
本当にありがとうございました。