NY再デビューコレクションを終えて ① | 桂由美 オフィシャルブログ 「桂由美のユミチャンネル」 Powered by Ameba

NY再デビューコレクションを終えて ①



今回ニューヨークにつくまでこんなにアメリカの業界の人々が


エキサイトするショーになるとは思っていませんでした。




ニューヨークへ向かう飛行機の中で、私は手帳に書かれた


1981年JFF(ジャパンファッションフェア)参加のデビューコレクションからの


ニューヨークでの歴史を思い返していました。


当時アメリカではMade in Japan(日本製)はワンダラーブラウス(1$ブラウス)



と呼ばれていて安物の代名詞だったのです。


日本のJETRO(日本貿易振興機構)がこの屈辱的なイメージをくつがえし、



日本にもこんなにすばらしいファッションがあるのだということを



アメリカのファッション業界やメディアに見てもらいたいという趣旨で、



ニューヨークのWoldorf Astoria Hotel で3日間の大フェアを催し、


オンワード以下54社が参加しました。


主催はJETROとJWFA(全日本婦人子供服工業組合連合会)で、


私はある日本の役員の方から、ブライダルファッションが1社もないのは



寂しい、ぜひ参加してほしいと依頼されたのです。



私の日本製のドレスがアメリカの花嫁達に来てもらえるチャンスとあって、


喜んでお引き受けはしたものの、


準備期間はたった6カ月しかありませんでした。



私はまず自分の作品をアメリカのバイヤーに見てもらい意見を聞きたいと思い、


すぐ3着のウエディングドレスの現物と数十枚の写真を携えてNYに飛びました。



Bergdorf Goodman という高級デパートのブライダルサロンのバイヤーと


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Modern Brideという雑誌の編集長に会ってアドバイスをしてもらいました。


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彼女たちの意見では


「日本のシルクは素晴らしい。縫製は丁寧すぎるくらい。


デザインもアメリカ市場にない繊細さがあり上品で優雅、歓迎されると思う。


しかしどうしてこんなに若向きでロマンチックなドレスばかりなの?


アメリカは結婚年令が幅広く、若くて結婚する人もいますが


30代という人も相当いますよ。


大体アメリカではかわいいというのは花嫁に対するほめ言葉ではないし―」


というものでした。 わたしは驚きました。


今でこそ30代の方の結婚も日本では多くなりましたが、


当時は日本では20代前半が主流だったこともあり


100%花嫁へのほめ言葉は「かわいい」だったのです。


「それではアメリカでは何と言ってほめるのですか?」と聞くと


「’セクシー’よ」という答えが返ってきたのです。


その時、私はアメリカに勝負をかけるなら日本のデザインそのままでは


ダメだと考えました。



今回のデザインは「上品で優雅でセクシーさももったデザイン、


素材は100%日本製」と方針を決めました。


しかし縫製期間があるので素材作りは3カ月でしなければなりません。


帰国後の短期間勝負です。




続きは次回書きたいと思います。



















私は帰国後すぐに輸出に慣れているシルクのメーカー数社に声をかけました。







一般的なサテンやタフタ、オーガンディは問題なかったのですが、どうしても私はタフタのように