グレイヘア・タロティスト

セイペンタ藤子です。

 

先日、帝国劇場にてミュージカル「モーツァルト!」を観劇して参りました。

以下、内容に関する記述が含まれますので

未見の方はご注意ください。パー

今回、舞台装置や演出が変わり、新曲も加わった「モーツァルト!」

何より驚いたのは2幕終盤のヴォルフとコロレド大司教のデュエット新曲「破滅への道」でコロレド大司教がヴォルフと同じ板の上に立ち、ヴォルフの腕を掴む、というこれまでにない肉弾戦(?)です。びっくり

 

コロレド大司教は常にヴォルフより高い位置から見下ろし、直接手を触れるなどとんでもない関係性のお二人。

コロレド大司教にそこまでさせてしまうほどの、ヴォルフの危機的状況が際立っていました。

 

男爵夫人の母性(ありのままを無条件で認める存在)と

コロレド大司教の父性(社会のルールを指導する存在)と

考えようによってはこの上ない後ろ盾により才能を育てられたヴォルフ。

うまくハマればとても良い関係であったかもしれなかったのでしょうね。

 

ヴォルフは作中、母親の存在が薄いので、おそらく幼少期から母性をあまり受け取らないままレオポルドの父性によるルール付けをされてしまったため、自分自身をいまひとつ信じきれない。

なので、父レオポルドに認めてもらいたい欲求が常に爆発寸前。

 

自身のルールを結構強硬に提示してくるけれども、ヴォルフの自由な才能を認めてくれているコロレド大司教のことは

「自分を縛り付ける存在」としてしか見ることができず反発。

 

この作品を見ると、充分に母性を受け取り、自分は認められ、許されている存在であるという思いが根付いてから、父性を受け取ることの大切さを感じます。

楽曲の良さもさることながら、とても深い作品です。

 

最後に、今回から新たにヴォルフ役を演じる古川雄大さん。

これほどまでに、天真爛漫なヴォルフを私は観たことがありません!

(そしてこれほど小顔なヴォルフも観たことがありません!)

また新たなるヴォルフ像の誕生ですね。

これだから観劇はやめられません!ドキドキ

 

タロットさんは、ヴォルフのことをどう思いますか?

 

◆カップの5◆

 

お気に入りの赤いコート
白い無垢な才能を身に纏い

 

 

血を流すように
命を削るように才能を放出している

 

 

逃れることのできない自分の影を見つめながら
こぼれてしまったカップを嘆いている

 

 

でも、気づいて欲しい

 

満たされたカップの存在に

 

 

希望はまだ残されているのだと

あなたは愛されているのだと

 

 

あなたは大丈夫ウインク