お孫さんに風邪を移され発熱したが、その後も鼻汁が喉の奥にこびりつくような状態になっていて、口の中の奥(口蓋)も炎症が残り痛みを感じている女性です。
 当然本人は、孫に移された風邪が治りきっていないからだと思っています。
 しかし、私は「何故、風邪が移ったのか? そして、何故症状が長引いているのか?」というところが気になりました。
常連のお客さんですから、からだの状況はよく知っています。
 この女性は若い頃に右膝を脱臼した経験があります。膝の脱臼というのはなかなか珍しいことだと思うのですが、何度施術をしてもどうしても右膝関節が甘い状態になってしまいます。ですから、右足や足趾は常に観察する対象となっています。
この時の彼女の右足の状態はいつもとは違っていました。
 膝に力が入らないので、足指(足趾)を丸めて踏ん張ってしまう癖を持っているのですが、今回はそうではなく足趾の背側側(甲側)に問題がありました。
 話を伺うと、寒くなってきたのでブーツ履き始めたとのことですが、ブーツの先に余裕がありすぎるめ、足趾を丸めた状態で歩いていたとのことです。ですから、足趾の背側が靴の生地に当たっていたため、そこがゆるんだ状態なっていました。
そして、その影響が太ももの内側広筋に強いこわばり状態をもたらしていたのですが、それによって胸の右側が下に引っ張られた状態になっていました。鎖骨も胸骨も右側が少し下がった状態になっていましたが、それは右側の胸鎖乳突筋にこわばりをもたらし、その影響で右側の耳から顎にかけて強いハリ感が生じていました。
 そしてそれによって喉の右側、右の副鼻腔、右の耳(耳管)などが変調を起こしていたようです。
 ゆるんでいた右側の足趾の背を手当てして修正することで自ずと右の胸鎖乳突筋がゆるみ、速やかに諸々の症状が改善していきました。
 私が思うに、このように右足趾の影響で右半身が下がるように歪み、顔の右側の流れが悪くなっていた状況のために免疫力が低下していたのではないでしょうか。それ故に、移された風邪の症状の改善が遅れたしまったではないでしょうか。
 

 からだは不思議なものです。場(ば)のエネルギーの流れが悪いとすぐに不調を呈しますし、場の状態が変わらなければ自然治癒力も乏しくなってしまいます。しかし、場の状態が変わってエネルギーの流れが良くなりますと、「あれだけ酷かったのに‥‥」という症状も見る見る間に、速やかにサーっと改善していきます。
こんな時は、風邪薬に頼るよりもからだを整える方が有効です。
ただし、私も「やばそー」と感じたときは、症状が出る前にパブロンの世話になることがあります。それは効きます。