一応、一級建築士をやっている夫婦です。
夫は設計の仕事を。妻は某不動産会社に勤務しており、現在は設計から離れていますが、以前は某大手ハウスメーカーで「史上初の女性現場監督」として経験を積み、その後、設計に転じて、都合300棟以上の家づくりに関わってきた人です。
そんな夫婦で、今、東京都内に自宅を新築しようと計画しています。
折角の機会なので、家づくりの記録を兼ねて、ブログを書いてみようと思い立ちました。
どうぞよろしくお願いいたします。
私たちはいま、マンションに住んでいます。
14年前、結婚と同時に購入しました。
広さは約60平方メートル(約18坪)。
もともとは2LDK+納戸、という間取りでしたが、夫婦2人だけの住まいなので個室は1つで足りますし、LDKが10畳程度と狭かったこともあって、LDKと2つめの個室のあいだの壁をとりはらって、1LDKにしてすまっています。
このマンションを購入した一番の決め手は「前建て不安がない」こと、でした。
建物は山手通りに面していて、10階建て前後の建物が多いエリアなのですが、道路の反対側、リビングが面する南東側が「第一種低層住居専用地域」になっていて、高さ10mを超える建物が建てられない(3階建ても難しい)エリアになっているのです。
結果として目の前が大きく開けていて、しかも、将来にわたって、この日当たりや風景を遮る建物は絶対に建たない=「前建て不安がない」、というわけです。
私たちはこのマンションをとても気に入っていて、一生このまま住み続けてもいい、と思っていました。
あと1部屋、あと5平米あったら、もっと住みやすかったのに、という思いもなくはありませんでしたが(たぶんどんな方でも「あとちょっと広ければ」と思う瞬間はありますよね)、宝くじが当たったら、もう少し広いマンションに引っ越そうか?と話す程度で、「家を建てちゃおう!」という発想は、夫にも、妻にも、実はまったく思いもしないことだったのです。
それが、夫の母親のとある一言がきっかけで、夫婦の考えがガラッと変わってしまうことになりました。