10年程前に、千葉のいとこの家に行った。
その時、直径15cm位あっただろうか、茎の所が玉ねぎのようなグリーンボール状の観葉植物があった。
すごくめずらしく思い、一株貰って帰った。
毎年、数珠のような分身が、たくさん生まれてきた。
初めの頃は面白くて、人様に「大きく育てば、見ごたえのあるグリーンのボールになるのよ。」と、自慢げに分けてあげていた。
ところが、分身は多く出来ても、本体のボールが大きくなるのが5cm程に止まり、そのうち情熱が冷め、いつの間にか分身の小玉だらけ。
小さな2株だけ残った。
ふと思い立ち、いとこに電話をした。
「どうして大きくならなかったのかしら。」
「玉の所を土より上にして、植えていた?」
「いや、土の中に埋めていたわ。」
「ああ、だから大きくならないんだわ。アハハ。」
つくづく思った。
どうしてもっと早く、問題として取り上げなかったのだろう。
だが10年経っても、理想の姿を忘れなかった。
やっぱり、お手本や師匠の存在は大きいのだ。
せめて師匠に報告でき、認められる位の私になって、その感動を共有したい。