妊娠が発覚してから1週間後。
異変は起きた。


少量の茶色い出血。
え…?血…!?((( ;゚Д゚)))
慌ててネットで調べると妊娠初期にはよくある事だと書いてあった。
武術の、産婦人科医でもある先生にも連絡すると「妊娠初期にはよくある事やから大丈夫や」という返事が来たので安心した。


しかし、だんだん血の量が増え、色も赤くなってきた。
腹痛も出てきた。
心配になった私は先週行った産婦人科に電話をし状況を説明した。
すると「今すぐ病院に来れますか?」と言われたが、この日は仕事が休みで自宅にいた。
あの病院は職場の近くの病院なのですぐには行けない。それを伝えると、「近所の産婦人科でいいのですぐに行って下さい!」と言われる。

動揺した私は夫に電話。
近くで仕事をしていた夫がすぐに帰宅し、一緒に近所の産婦人科に行った。


「まだなんとも言えないけど1週間経っているわりには袋が成長してないねぇ…。もしかしたらこの後、生理みたいな出血があるかもしれない。まあ、まだここから育つ場合もあるから分からないけどね。とりあえず今日はお家で安静にしてもらって、また明日来れるかな?」と先生。
不安の中夫婦で帰宅し、夫は「安静に寝ててね。なるべく早く帰るから」と優しく言い残し、また仕事へ戻って行った。



だんだん激しくなる腹痛。
そしてどんどん増える出血。
痛みと苦しさと不安で押し潰されそうになる私。

そんな時、あの武術の産婦人科医の先生から電話が来た。
私を気にして連絡してくれたのだ。
状況を説明すると先生は言った。

「あぁ…それは流産かもしれんなぁ…。あんたは高齢やし、その可能性が高いと実は思ってたんや。若い人と比べると年齢いってる人は流れやすい。でもそれは自然になってしまう事。胎児側の問題で、障害があったり、そのままでは育つ事ができないものが流産になってしまうんや。だから、母体には何の原因もない、仕方のない事なんや

「とりあえず今は腹痛や出血もあるし安静に寝ていなさい」と言い残すと先生は電話を切った。


無の感情のままトイレに行くと、相変わらず大量の血…。
血の塊も出る…。

そんな中、私は見てしまった。
出血が酷いのでつけていた生理用のナプキンの血の中に、小さな透明の卵みたいな物があるのを。
透明ないくらみたいな物…。


私は瞬時に理解した。
出てきてしまったんだ。
この前エコー写真で見た、赤ちゃんが育つはずの袋…。

涙が溢れた。一人、トイレで泣いた。



数時間後、心配した夫が電話をかけてきた。
胸が締め付けられる思いだったが伝えた。
「赤ちゃんダメだったよ…」
「え…。でも、まだ分からないって先生も言ってたし、しばらく様子をみて…」と話す夫の言葉を遮って言った。
「違うの!もうダメなの!赤ちゃん出てきちゃったの!透明な袋が出てきちゃったの!」私は泣きながら言った。

「えっ……!?」絶句する夫。
しばらく無言だった夫が、電話の向こうですすり泣いてるのがかすかに聞こえた。
それに気付いた私は更に涙が溢れて止まらなくなった。

あんなに嬉しそうだった母。
喜んでくれた上司。
一体みんなになんて言えばいいんだろう。。
そう考えると、更に心が押し潰されそうになる。


夫が仕事を終えて急いで帰ってきた。
夫の顔を見た途端、また涙が溢れ出す。
「こーちゃん、ごめんね…」
夫は私を抱き締めて、そして一緒に泣いた。