劇団四季
ミュージカル
ロボット・イン・ザ・ガーデン
【公演日】
2022年1月8日(土)
【開演時間】
17時30分
【劇場】
自由劇場
【上演時間】
1幕 80分
休憩 20分
2幕 75分
※終演 20時36分
【チケット】
2階 上手
9,900円
【観劇回数】
作品 12回目
劇場 141回目
劇団四季 902回目
【評価】
S
【スタオベ】
【いちばん良かったキャスト】
野中万寿夫さん
ボリンジャー
【メモ・感想】
当日予約
暑い暖房直撃席
規制退場あり
・仙台にバレエを観に行く予定が公演中止になってしまったので、この虚無感を癒すのは千坂凛さんご出演の『ライオンキング』か、長野千紘さんご出演の『ロボット・イン・ザ・ガーデン』のどちらかで迷って、出演面でみると、ヤングナラcは前売チケットを予約しても確率1/5位の運で、今日の夜公演はピッタリご出演タングは3組でのローテーションに突入して確率1/3で、東京公演の残り期間が迫っていて、あと1回だけ観れるかどうか
座席面でみると、『ライオンキング』は1階最後列センターブロックが候補で、『ロボット・イン・ザ・ガーデン』は2階最後列上手ブロックが候補。1階は段差が緩そうなので躊躇、2階は壁側だし長野さんポジションは下手で逆になるので躊躇。結局、コロナの感染者数がヤバい上がり方なので、もし『ロボット・イン・ザ・ガーデン』が公演中止になってしまったら、長野さんのタングが0回になってしまうと危惧した結果、『ロボット・イン・ザ・ガーデン』を観劇決定
座席が2階最後列壁側で、新国立劇場中劇場さんだったら、当日限定販売のZ席(1,650円)扱いになる位置で、S席(9,900円)だと相対的にちょっと高く感じるが、背に腹は変えられない
長野さんを観るのを最優先
・自由劇場の2階席は、ほとんどセンターでしか観てないけど、座席に着いたら、段差あって観やすいし、距離感や角度もぜんぜんオッケーもしかして2階席が弧を描いているのか、センターよりかなり近く感じる
浅利慶太さんが晩年、自由劇場の2階2列上手壁側の席が特等席だみたいなことを言われていたが、1階最前列(前方)を取りたがるお客が多い状況で、何を言いたかったか(舞台の観やすさ優先)わかる気がする
確かに2階センターより、2階サイドからの方が(長野さんは逆だけど)観やすいような気が
照明の関係だろうか
チケット残席見ると、確かに壁側を好んでチケット押さえてるマニアな方もいらっしゃるので、これは新しい発見かもしれない
・新しいキャストも続々と新役デビュー。1幕、客席がオリジナルキャストと観比べている空気感が凄い
・野中万寿夫さん、前回上演時に既に役を極めている状態だったが、さらに台詞(歌詞)を大事に丁寧に言っているナンバー「至高の砦」の音量バランスが前回よりミュージック音量もマイク音量も小さめになっていて、歌詞も語りかけるように歌っているので、歌詞の意味がこの上ない状態で伝わってくる
「至高の砦」に入る前の一連の台詞も秀逸で、作品的にいわゆる悪役のポジションではなく、研究者(技術者)で至高のアンドロイドを完成させるのを目指しているだけで、最初から最後まで全くブレてなく、それが一貫しているのが伝わってきた
唯一の失敗は「そいつを殺せ」と命令して、簡単に殺せるのを確信して、自身はワインに向かってしまったため、隙ができてしまった
それを見逃さなかったタング(ベンによってディープラーニング)の切り返しに繋がっている
・町真理子さん、1幕どなたかお名前わからなくて、めちゃくちゃ上手いぞ(ビジュアルも超カワユス)と思いながら見てて、休憩中にキャストチェックして町さんだと判明
ナラcからのイメージとぜんぜん違う
演じやすいのか、ナチュラルな演じ方で台詞も表情も演技も上手すぎる
ストレートプレイでも大活躍できるはず
2幕の波のダンスナンバーも動きに表情に、センスが出まくっている状態
他の役もそうだけど、従前の劇団四季だとみんな同じようになるのを目指していたと思うが、この作品は細かい部分はキャストに任せてあるのも伝わってきて、ダブルキャスト、トリプルキャストの醍醐味が伝わってくる
超良かった
・相原萌さん、演技に硬軟入って演技力が上がっている指輪のところだけ気付くのが早いので、2秒くらい間を入れた方がいいような。アンサンブルも兼ねていて、いろんな役との演じ分けも凄いというか、どの役もキャラクターを出せている
役名のリジー役だけど、リジー・キャッツ博士と作品内で呼ばれているので、(原作読んでないんだけど)カイルが犬でなく猫でも行けるかもしれない。猫だったら、「砂の街のカイル」で毎回涙腺崩壊するだろうなぁと思いつつ、ダブル扱いで公演ごとにチェンジできれば、他の作品への試金石にもなりそう
・長野千紘さん、安田楓汰さんペア、コンビネーションがいい操作時の身長差も少ないのか、タングが斜めになって歩いていないように見える
歩き方や仕草で、生形さんの時より子どもっぽい動きになっている
階段の転び方の動き・タイミングが絶妙だった
その前の「彼女、ひとり?」もディープラーニングの成果や演劇的なセンスが出ていた
マジョリンがイタズラする感じでやるとさらに良くなりそう
自身のキャラクターも乗せた生形さんのタングとはタイプが違うが、長野さんがこんな声も出せたんだという声で、子どもっぽさを強めに演じていた
上手側の席だったので、安田さんの表情がよく見えて、操作だけでなく自身の表情で感情もプラスして表現して、タングの動きを自身の表情で補完していた
上手側の席からは長野さんが隠れてしまうことが多いので、やっぱり物足りなさが残ってしまう。タング(右手&頭)役を観るのにいちばんいいのは下手側と結論が出て、次回の観劇日程を変更して、休憩中に下手の席を取り直した
・岡村美南さん、1幕と2幕とで表情だけでなく、オーラの違いも出せていたベンからの最後の電話の後の表情だけで、心の中で離れていた気持ちが動いたのが上手く出せていた
まだ役デビューしたばかりなので、慣れてくるとさらに上がると思われる
・鳥原ゆきみさんも岡村さんも涙流せるくらい役に入り込めている劇団四季はロングラン中心路線なので仕方ないが、いろんな作品でも輝ける俳優さんがいるというより、輝ける作品(短期間上演作品)が少ないような。例えば、ミュージカル座代表のハマナカトオルさんが、作品を利用できるように公開しているので、非常に安いコストで『ひめゆり』など、良質な作品を上演できるような。
・本城裕二さん、ホテルのシーンのキャラが北斗の拳に出てきそうなキャラだが、音量バランス変わったのか歌詞が生きて、パワフルな歌唱力と歌詞力を両立させていたロングトーンのシャウトがいつも以上に綺麗な波動で決まっていた
・山下啓太さんメガネかけてて、いいキャラが出ていたので、旅の間もかけていた方が良かったような、もったいない。1ヶ所噛んでしまったが、引きづらなかったのは良かった声質的に優しい声なので、役のキャラクターに合っている
・(たぶん)古森麻由さん、ボリンジャーに撃たれた時の倒れ方が秀逸この回想シーン、ライブ配信ではアップでなく、引きのまま映した方が古森さんの倒れ方・受け身の凄さと、その後の劇場の空気感も伝わる
・上演時間が短くなったはずだが、丁寧に演じているので、結果的に前回上演時とほとんど変わらないような気が。