水族館を観終わり、
 
休憩所のベンチに腰掛け、身体を休めていた。
 
元旦は未明から三保松原にて初日の出を撮影するため、寒空の下で待機していた。
 
4時に起きた所為で睡魔に勝てず、うとうとしていた。
 
眠い目を擦りながら、鞄から文庫本を取り出す。
 
両目を開いて読書に集中していれば、不意に眠っているのに気付き飛び起きたりしないだろう。
 
木漏れ日の下、
「稲川淳二の怪談冬フェス〜幽宴二〇一八」
のファイルステージ作品に集中していると、
斜め後ろから男女の声と紫煙が風に乗って流れて来た。
 
本に夢中で会話の内容は覚えていないが、
優勝作品を読み終わる頃には聞こえなくなっていた。
 
本を閉じる。
 
ふと、そよ風に煙の匂いがした。
 
まだ吸っているのか。
 
しかし振り向くと、辺りには誰も居ない。
 
青い空と芝生。
木漏れ日が射す木立ち。
そして休憩所には自分だけだった。
 
“怪談本を読んでいると幽霊が寄って来る”
 
と噂に聞いた事があります。
 
休憩所には、最初から私一人しか居なかったのかもしれません。
 
元旦に木漏れ日の下で読んでいた怪談本は、
こちらです。
 
「稲川淳二の怪談冬フェス〜幽宴二〇一八」
冬フェス実行委員会/編      稲川淳二 ほか 著
竹書房文庫
 
日本一を決める怪談最恐戦で語られた怪談を掲載!稲川淳二など恐怖の語り部が大集合!
【マンスリー投稿部門】優秀作も収録!
 

 
 
 
 
 
新年明けましておめでとうございます。

夢野津宮です。

昨年はお世話になりました、
どうぞ今年も宜しくお願いします


今日は未明から静岡市清水区の世界遺産三保松原にて、三日月を見上げながら待機して、御来光を拝みました。

三保松原は相変わらず絶景の撮影ポイント。

昨年の年末には、太陽が二つに見える自然現象の幻日が撮影できたり、



太陽の光を反射して光る水平線も撮れました。



今朝は5時ごろから待機していましたが、
既に沢山の人、人、人。



みんな世界遺産からの初日の出と、
富士山を同時に見たかったのです。

海上から初日の出を眺める目的でしょうか、
船も浮かんでいます。

あ、朝日が顔を出した。


はっぴーにゅーいやー

2019年の初日の出です。



その後、富士山を撮影して。



三保の水族館の近くのレストランにて
黒はんぺんフライを食べて、
余りの美味しさに
エンドルフィンを大量に放出して。



水族館を見て、



自然史料館を見てまわり、





そして........


元旦から、とある怪異を体験したのです。


怪談「休憩所の紫煙」に続く。




明治の怪談といえば文豪小泉八雲です。

先月、焼津市の焼津小泉八雲記念館に朗演のイベントを見に行きました。




(焼津小泉八雲記念館  
 静岡県焼津市三ケ名1550  
 焼津文化センター内
 電話番号054-620-0022)

語り手さんが語る、
小泉八雲の「因果話」を聞いて、
作中の女性が

ある瞬間、

“今、この女性は生きながら怨霊になった”

と感じるくだりにゾクゾクしました。

役者さんの演技力でしょうか。

それとも文豪小泉八雲の筆力でしょうか。

「因果話」を読んでみると、

自分の脳内音声では、
役者さんみたいな役に入り込んだ演技はできません。

小泉八雲の描写も、
奥方の変貌ぶりの恐ろしさが伝わって来て怖気を覚えます。

役者さまと小泉八雲の双方の力量が、
会場のお客様に恐怖を与えてくれるのです。




以前、稲川淳二先生の怪談語りを浜松市の会場で観覧しました。

会場に犇めくお客様の熱気がスゴい。

生者だけではなく、自らの話が語られると期待する死者も見に来ている予感。

やはり死者の心理を表現する、怪談の内容と演技力にゾクゾクしました。

怪異を聴いて、
疑似的に体感して、
恐ろしさを感じて、
カタルシス(浄化)を覚えて、とっても愉しい一夜でした。

この浄化こそが怪談供養という奴でしょうか。
怪談供養とは、「怪談は死者への供養」という意味とか。

その稲川淳二など恐怖の語り部が大終結!

「稲川淳二の怪談冬フェス~幽宴二〇一八」
冬フェス実行委員会/編
稲川淳二 ほか 著


昨日、書店に行ったら
竹書房文庫から発売されていました。
今から読みます。


稲川淳二の怪談冬フェス〜幽宴〜と、
web小説投稿サイト《エブリスタ》が
コラボした《最恐怪談コンテスト》
受賞作品が収録された「千人怪談」。




先程触れた「怪談供養」という語を題した、
成仏させないとヤバイ怪談が39話収録。
大晦日に「怪談供養  晦日がたり」はいかがですか。