30年務めた職場を辞める数年前から、ある証券会社の営業マンがよく売り込みに

来た。普段から証券マンとか商品取引の業者というのは門前払いだったが、その日

来たのは若い女性証券マンだった。

 

 スケベ心で話だけでも聞いてやろうと思って聞いてやると、熱心に説明を始めた。

 彼女は1000円から始められる「NISA」を進めてきたのだが、社会福祉協議会と

言うところは、公金を使っている関係もあって、投資という冒険はなかなか難しい。

 ましてやこんなド田舎では、時代遅れの田舎者議員から何言われるかわからない。

 

 したがって、役には立てないからお帰りいただいたが、彼女は熱心に「NISA」の良さ

を説明してきた。

 そこで、僕個人で少しばかりお金を回して、今後の老後の楽しみにしようと思って、

入会した。

 

 それから彼女がいたときは、たまに営業に来てくれて、勉強もさせてもらったが、彼女が

産休に入ると全く音沙汰もなく、つまりほおっておかれて、自分のお金が今どうなっている

のか、全くわからないまま数年が経った。

 

 N証券というのは昔から個人投資家なんぞに丁寧にせず、いざとなったら梯子外されて

大損する。というのは昔から知ってたからある日、クレームの電話を入れ、解約してきた。

 

 あれだったら自分でYouTubeなどで勉強しながら、自分のパソコンで投資信託とかをやって

たほうがましだ。

 

 さて、コロナの影響もあってカウンセリングとかは全くできず、歳を重ねていくにしたがって、

欲も執着も薄れていって、「もうボランティアでいい。」と思い始めた。

 年金も支給され始めたし、個人事業をこれからバリバリやっていく気にもなれない。

 

 ボランティアでやっていくと決めたらかなり肩の荷もおりた。

 

 人のメンタルを救うつもりでやり始めたが、気が付けば自分自身のメンタルを随分と傷つけて

きたことが分かった。

 

 堺市内の小学校で学童保育のお手伝いをやりはじぇめたが、この年になってやっと、組織の

ありかたと、組織のルールを守ることの大切さが分かってきたように思う。

 ルールにかみついて生きてきたものなあ。

 

 「人生は、二十歳までしっかりと道徳を叩き込んで、二十歳からの40年間必死で働いて恥を

かいて、苦労して、そして六十からの40年間で、それまでの経験を活かして生きていけばいい。」

 

YouTubeで、東洋哲学の学者に習った言葉です。

 

60過ぎてやっと分かってきたことがある。

 

人生、まだまだ捨てたもんじゃない。