歩いていると、わかることがある。
この世界は広いようで狭い。

狭いようで広くて、
だけど、なぜか知っている。

彼は、私の母親を軽視している。

その姿を、なんとなく気づいていたんだよ。
でも、それが本当だって、

彼自身が証明したんだ。

彼の母親は、どれだけ優れているのだろう。

「手料理? 食べてやってもいいけど?」
なんて、どの口が言ってんだろう。
どんな育て方をしたら、

そんな感じになるんだろう。

さぞ、外食に連れて行ってくれたことでしょう。

さぞ、センスの良い外食に連れて行ってくれたことでしょう。

私は、外食とは、ほぼ縁がない。

毎週のように行く習慣なんてない。

それに、家のご飯が美味しかったから不満もない。

母親の料理は好きだったから、
自分も美味しい料理を作れる主婦になりたいと望んでいた。

それのなにが悪いの?

まぁ外食のような料理を、母親は作ってくれていたから、

私は、栄養価も高く、美味しい料理を作ることを目指した。

なのに。なのに。なのに。