★このほど、東京・銀座の新橋演舞場で上演中の「カルメン故郷に帰る」(25日迄)を拝見。映画で上映(1951年)されて人気を呼んだ同名の初舞台化。主役のストリッパーに扮したのが藤原紀香。東京で働いていたカルメン(藤原)が故郷に帰省して騒動を巻き起こす喜劇風の物語。ストリッパーと言えば「裸」が売り物だ。はたして藤原は? 全編を通して体の線がばっちり分かるボディーは存分に披露してくれた。藤原の芸能界デビューのきっかけは、大学在学中にグランプリに輝いた「ミス日本」だった。その当時の私メは文化面担当の新聞記者で、審査会を取材していた。彼女がグランプリに決まった後のインタビューがなかった。これでは原稿が作れない。楽屋口に回ってスタッフに藤原への取材をお願いした。すると、5分も経たないうちに藤原がやってきた。記者は私だけだった。聞きたかったのが「将来の夢」だった。藤原は「女優です」ときっぱり言い切った。現在の彼女は歌舞伎俳優・片岡愛之助の妻でもある。歌舞伎座のロビーで藤原に出会ったことがある。「その節はありがとうございました」と私メを覚えていてくれた。舞台を掛け回る藤原を見ているうちに”初対面„が浮かんできた★(随筆家・夢野幸大)