★きょう(30日)は、趣味でありライフワーク的な「芝居見物」など、都内へ向かう予定が入っていない。齢を重ねるごとに、”こんな日„が好ましくなってきた。いつもの「簡素」な朝食を取ったあと、「日課」のウオーキングに出かけた。太陽は薄雲に時々遮られていたが、やたら蒸し暑かった。歩き始めるとすぐに体中に汗が滲んでくるのがわかった。私メは現在独り暮らし。「熱中症」になっても助けを呼ぶ者がいないのである。できれば救急車は呼びたくない。したがって、暑い日は日陰を選んで歩くのだ。この日もそうだった。千葉県北西部にある拙宅周辺は「里山」のような風景が広がっている。田んぼはもちろん、雑木林も至る所に点在している。決めている「コース」がある。少々のアップダウンが続く150㍍ほどの「日陰道」を何度も往復するのだ。そんな時、反対側から御年90歳の顔見知りのおばあちゃんがやってきた。「暑いからお互い気を付けましょうね」と声を掛けてくれたあと、元気よく陽が射す道に歩み出していった。「すごいなぁ」と感嘆の念を抱きながら、私メはまた日陰道を「行ったり来たり」するのであった★(随筆家・夢野幸大)