★「日課」である朝のウオーキングでは、犬の散歩中の方と毎日のように出会う。この日(16日)も顔なじみの何人かと挨拶を交わした。1時間ほど歩いて拙宅に近づいた頃、反対側から「柴犬」を連れた中年の婦人がやってきた。この方とも知り合いだった。「おはようございます」と声を掛け合った。この柴犬の毛は茶色だ。以前は首輪には何も付いてなかったが、この日はピンクのリボンが下がっていた。私が「女の子ですか?」と聞くと「そうです。似合いますか」と笑顔を向けた。「すごく可愛くなりましたね」と返すのだった。我が家でも、入れ違いに2頭の犬を飼っていた。いずれも知人から頂いた。最初はダルメシアンだった。ディズニー映画「101匹ワンちゃん」に登場する白と黒色のまだら犬である。そして、2頭目は「ビーグル」だった。しかし、2頭とも早逝してしまったのである。その後に飼ったのが2匹の猫だった。この双子の兄妹は冷たい雨が降る朝、拙宅の軒下で寒さに震えていたのを拾い上げた。しかし、12年後の昨年、相次いで旅立ってしまった。柴犬の頭をなでながら、天に召された犬と猫を思い出すのであった★(随筆家・夢野幸大)