★今朝(28日)の新聞に大きな扱いで歌舞伎界の大名跡継承を伝える記事が載っていた。都内で会見した尾上菊五郎、長男・尾上菊之助、孫・尾上丑之助が黒の紋付姿でひな壇に並んだ写真も載っていた。普通は継承すると名前が変わるのが通例だが、当代の7代目・菊五郎さんは「7代目菊五郎のまま人生に幕を閉じたい」と語った。ということは、親子が共に「菊五郎」を名乗ることになる。親子が同時期に同名の歌舞伎俳優のまま存在するのは異例という。さらに、同席では8代目菊五郎となる現・菊之助の長男・丑之助が、6代目・菊之助襲名も発表された。私は新聞記者時代に演劇を担当していた。現・菊之助が丑之助から「5代目・菊之助」を襲名した時(1996年)に、歌舞伎座での襲名お披露目までの「カウントダウン」(5回連載)を命じられた。連日、彼を追い回したのを思い出していた。最後の回は母で女優の富司純子さんに登場してもらった。都内の自宅にお伺いして息子への期待などを聞かせて頂いた。新聞を読みながらお三方の活躍を祈った朝だった。襲名披露興行は来年5,6月、東京・東銀座の歌舞伎座で盛大に開催される★(随筆家・夢野幸大)