★きのう(4日)は久しぶりの都内行きだった。行き先は東銀座の歌舞伎座。千葉県北西部にある拙宅からは、電車を乗り継いで約2時間近くかかる。ここ最近は持病の「糖尿病」の悪化?で体がだるく喉も乾き切っていた。午前10時30分過ぎ。同劇場に着いた頃には相当の疲労感が体全体に漂っていた。少々不安な体調だったが舞台に目を向けた。客席はほぼ一杯に埋まっていた。今月のタイトルは「團菊祭5月大歌舞伎」(5月26日迄)と銘打っていた。「團菊祭」とは、歌舞伎の近代化を進めた9世・市川團十郎と5世・尾上菊五郎の功績を顕彰する祭典である。今舞台では、現・菊五郎が昼の部「毛抜」に登場した。客席からは盛大な拍手が沸き起こり、大向こうからは屋号の「音羽屋!」の掛け声がかかった。同舞台では現・團十郎が「後見」で盛り上げた。團十郎は昼の部のトリ「極付幡随長兵衛ー公平法問譚」で侠客の親分に扮して客席を大いに沸かせた。團十郎は夜の部「伽羅先代萩・床下」では、妖術を使う仁木弾正役で登場だ。終演は午後8時30分過ぎ。熱気の館内から外に出ると爽やかな風が心地よかった。さあ、田舎に帰ろう★(随筆家・夢野幸大)