★おととい(5日)、東京・東銀座の歌舞伎座で上演中の「4月大歌舞伎」(26日迄)を昼夜通して拝見。客席が大いに沸いたのが夜の部「神田祭」だ。登場したのが”美男美女„の「孝・玉コンビ」として一世を風靡した片岡仁左衛門(前名・片岡孝夫)と坂東玉三郎(共に人間国宝)だ。同作品は神田祭の様子を清元の舞踊にしたひと幕物。粋でいなせな鳶頭に扮した仁左衛門と艶やかな芸者役の玉三郎が、江戸っ子の心意気を息の合った踊りで見事に表現した。客席からは何度も大きな拍手が送られた。この作品は、仁左衛門の伯父で二世・花柳壽楽がふたりのために振付けてくれた舞踊という。ご両人とも齢(よわい)を重ねたが、未だに若々しく色気もたっぷりだった。お二人は同じ夜の部「於染久松色読販」でも共演している。同部では他に舞踊「四季」を上演。昼の部では「双蝶々曲輪日記」(中村梅玉など)、「七福神」(中村歌昇など)、「夏祭浪花鑑」(片岡愛之助など)を上演。終演は午後7時33分だった。熱気むんむんの劇場から出ると夜風が気持ちよかった。と同時に空腹感が襲ってきた。汁物が食べたくなって中華店へ★(随筆家・夢野幸大)