★家族の”一員„だった飼い猫のジェシー(雌)が先月31日に死んだ。12歳だった。きのう(2日)、近くの動物霊園で火葬した。「骨拾い」には、この猫を可愛がっていたミュージシャンの次男も、居を移した都内から駆け付けた。この猫は12年前の9月25日、季節外れの冷たい雨が降る朝方、拙宅の小さな庭の軒下に母猫が生まれたばかりの2匹の子猫と雨宿りをしていた。私と目が合った母猫は危険を察したのか、赤ん坊猫を置いて立ち去ってしまった。そこへ、当時、同居していた次男がやってきて「かわいそうだから家にあげてやろうよ」と言って2匹を拾い上げた。以来、双子は我が家の一員?になった。ジェシーもそうだったが、雄のビリー(いずれも次男が名付け親)も病気とは無縁で風邪ひとつ引かなかった。1週間ほど前から急激に食欲が落ちたジェシーの死因はおそらく「老衰」だったと思う。小さな骨壺はビリーが見える所に置いた。ビリーは仲がよかったジェシーを探しているのか、ずっと鳴き声を上げていた★(随筆家・夢野幸大)