ヤングケアラー支援・共依存家族 | 札幌 ファミケア プリズム翠 (障がい支援、介護、子育て支援・起業支援)

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札幌在住。32年にわたり、難病の母親の介護をしてきたいわゆるヤングケアラー経験者です。また、保育士や介護福祉士の業務経験から、介護、障がい、子育てに関わるご相談お受けしています。本業は障がい福祉サービス事業所で相談支援専門員として福祉支援の仕事をしています。

札幌 ファミケア プリズム翠 吉田綾子です

 

 


介護とはある意味密室の空間です。

 

家族間の色々な感情や思いが

子育てとは全く違う感じで出てくることが

多々あります。

 

面倒を見切れない

 

限界

 

親の介護をしていると、

今まで育ててくれた親が

今度は逆転して、

子供が面倒を見る側になる事に

戸惑いを感じることも少なくありません。

それがヤングケアラーともなると、

幼い頃からそのような環境で育ってくると

その感覚はあまりありません。

ですが、その分、

 

なぜ自分はこんな環境の下に

生まれたのだろうか?

 

と、自分の生い立ちを恨むことがあります。

逆に親の世話をすることは当たり前で

自分が親を守らなくては、と、

使命感で生活を送っている子供たちも

います。

 

ヤングケアラーにとって何らかの

環境下で親の世話をしている場合は、

子供らしさと言う感覚を失いながら、

あるいは芽生えることなく親を守ろうと

することもあります。

ある子は、母が精神疾患を抱えており、

その子供も、離婚した父親から受けた

DVによる

トラウマを抱えながらも、母親が不調になると

一生懸命に母の顔色を伺いながら

自分の苦しみを押し殺して生活している子が

いました。

 

母が死んじゃったら生きていけない

 

この子がいるから今こうして生きていられる

 

お互いに共依存です。

その共依存関係が無いと、この親子は

生きていくことすら出来ない状態だろうと

感じました。

母親は精神状態ぎりぎりのところで

子どもを守ろうとし、子供も子供で、

過去のトラウマを抱え、

時折自傷行為によって

自らを落ち着かせながら、

母のために自分を保とうとする。

時々、民生委員が自宅を訪問したり、

母の通院先からの情報から

少しずつ様々な機関や人が

時間をかけて介入していけるように

なりました。

 

ですが生活環境は

決していい状況ではないと判断し、

その後

母子はそれぞれの治療と、

必要な環境へ引き離されました。

 

子どもは児童養護施設へ

 

母親は入院

 

様々な機関や人が

時間をかけながら母子の心を

ほぐしてきた結果でした。

 

ヤングケアラー家庭には、

なかなか支援に繋げることが出来ない

状況もあります。

時間をかけて、ゆっくりゆっくりと

何らかの手立てを考え

時には説得しなくてはいけないケースも

あるのです。

それはこの母子のように共依存の親子関係で

あればあるほど、なかなか難しくなります。

ヤングケアラー支援は、

なかなか難しいケースも中には

潜んでいます。

少しでも多くのヤングケアラーに

支援の手をつなげること・・・

それは支援者だけでなく、

近所のおせっかいな人たちや

地域の手も必要なのです。