実験人形オスカーは原子羊の夢を見るか?
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ハリウッドコンプレックスを抱え続け映画のために命を削り続けた
名優:松田優作 1949年生まれ

バブルや特権階級、マスメディアを否定し続ける
作家:狩撫麻礼(別名:ひじかた憂峰、土屋ガロンなど)1947年生まれ

1945年太平洋戦争終了して間もない時代に産み落とされた表現者2人。

その2人が融合した唯一の作品が劇画『ア・ホーマンス』の実写版だ。




ア・ホーマンスの主人公の表情が撮りたいと映画化を決めた優作が
プロデューサーに名乗りを上げ、天才脚本家、丸山昇一と共同脚本を書きあげる。
もともと小池要之助監督がメガホンを握っていた作品だが、
優作との激突で優作の初の監督作品となったのは、想像の範囲であった。

作品としては評価が低いが、優作の映画に対する愛が溢れた素晴らしい作品だと小生は思っている。

ア・ホーマンス予告



主人公が記憶喪失、新宿が舞台以外に劇画版とストーリーもキャラクターも
ほとんどを変えた作品だが、共に1945年戦後間もなく生を受け、
様々な物を背負って映画界、劇画界で闘ってきた優作と狩撫麻礼が描いたテーマは
同じことであり、それは既存社会、日本の村意識、共同体的、アンチコマーシャリズムや
メディア、
管理社会への否定や脱却であった。

狩撫麻礼の代表作、ア・ホーマンスの後に執筆した、迷走王ボーダーで
それは徹底的な姿勢として主人公に語らせ、
優作の死後一年後平成バブル時1990年連載開始の天使派リョウでは
こちらも同じテーマでありながら、ボーダーで見せていたアウトローへの決裂まで
描いて社会との融合を見せた。






優作も狩撫麻礼もアウトローであり続けた。
悲しいほどに一般社会から反乱分子としてその生き様を作品に残した。
自由へなりたくともなれずに。
そして優作の死により狩撫麻礼の作品は何かが変わったような気がしてならない。

最後に映画アホーマンスでは映画の他に二つの大きい遺産が生まれた。
一つは、優作が役者として指導デビューさせ、その後、優作の意志を引継ぎ
ハリウッドデビューを果たした俳優、石橋凌の誕生。
そして石橋凌率いるバンドARBが歌った映画テーマ曲にして名曲「After45」
1945年以降(After45)の戦後に生まれた私たちは、
戦後の日本社会の落とし子としてあり続けるのである。
高度経済成長で失った物を探し、歴史を悲しいまでに背負いながら。


After'45 PV


優作の死後、音楽活動を休止した石橋凌が満を持してARBを復活させた際のAfter'45
ア・ホーマンスの映像をバックに石橋凌の熱唱が光るが2番の素晴らしい歌詞がカットされている