私は自分が嫌いだった。


人のためならいつでも死んでいい。

そう思ってた。


なのにハキが、愛してるっていうから、

どんどん自分が可愛くなってしまって、

惜しくなってきた。


ハキをすごく求めた。

そのころは携帯が無かったから私は毎日電話をかけたし

退社してから、往復4時間の距離を

臆することなく車を走らせた。


私たちには秘密の場所があって、

私がつくと公衆電話から

自宅に、着いたという電話を入れると、30分くらいしたら彼が来る。


山道を抜けてくる、ベッドライトでドキドキが増す。

彼の所有する敷地の中に、廃バスがあり、そこが私たちの

秘密の場所だった。

あえない日が続くと、泣きながら抱きつく日もあった。

20分だけという日もあった。

それでもいい。


自分自身が好きになってきたら、

意地悪したくなってきた。

時々、わざと奥さんとも話してみた。

もともと仲間内だったから

『最近、彼氏とね、なかなか会えなくってさ・・・』などとぼやいてみたり。

すると

後日、ハキが言うのだ。

またあいつに俺のこと言って。楽しいのか?楽しいよ!


私は、ハキが困ってても楽しいことが好きだった。


でも、ひとりの夜は泣いて泣いて。

クマが出来て鼻の奥が凄く痛い。鼻の周りは赤いし肌が荒れている。

時々、ハキが出ても無言電話した。

そのころは、ストーカーなんて言葉はなかったけど

ストークしていた。


あえない日だってわかってても、自宅の窓の下に車を停めて

カーテンが開かないか、願ってみたりもした。


お金を使わせないから、財布は空っぽ、

ガソリン代にも変わっていく。

私の心は、限界に近づいていた。


『なんで私だけが耐えなきゃいけないの?』

そう思ったら、いつでも泣くような、私。


肌も荒れて、お化粧もきまらない。

お金が無いから、洋服もない。

最低の女になってきていた。20。


ハキがいつも私の中にいた。

学生だったときは、彼氏の話をする友人が

羨ましかった。

彼氏として話をする私は、

いつ会わせてと言われるか

ドキドキした。そして、素性が知れたらどうしよう・・・。


そして泣くのだ。

夜になったら、寂しくて泣けてくる。

眠るとき、横を向いて、両手の平を握り寝る。ハキと私のつもり。

そうしなければ、張り裂けそうだった。

電話も駄目。

交通手段もない。


会社勤めと同時に自動車の免許取得。

車を買い、暇さえあれば2時間かけて彼のもとへ

行くようになった。


会うときは嬉しいけど、

彼を抱きしめても、両腕の中は、空洞の様だった。

愛されてる実感も無い。

ただ、愛の言葉と、会いに来てくれるだけで満足だった私は

この空洞を

とても悲しくて情けなんてどうしようも出来ないで居た。


いつか別れよう、笑ってバイバイって・・・・・。


でも、私はハキがいい。

優しいタレ目のハキ。


あの日の私。


もう引き返せなかった。

同い年の彼。19さい。


彼は、結婚してから1年も経ってない。

子供は、生まれてから2ヶ月もならないうちに


私は、いわゆる愛人になってしまった。


だけど・・・


絶対。

これだけは決めた。

お金は、絶対に使わせないと。


今思えば、、、

それは、都合のいい女という以外、表せる言葉は無い。


浮気相手。

全面的におごってくれる。

会いたいときにだけ会える。

駆けつけてくる女。


でも。よかった。

僅かな時間でも、一緒にいられる時間が幸せでした。

たとえ往復4時間かけて会いに来て

2時間しかなくても

その4時間は、幸せだった。

ハキのことだけ考えて行動してたんだもの。

その6時間以外は、

寂しさと、情けなさと、

背徳を感じ、友達と会う以外は、

ずっと部屋にいた。


ハキ・・・本当に格好よかったの。

理想の男性。

ただ。結婚してただけ。


お金を出させないのが

愛人じゃないって思いたかった。


ハキの時間をお金で買っていた・・・・・。

それでもよかった。

1本のジュースでも、私の買ったものを飲んでくれる。

私が彼に入っていくという錯覚に眩暈がした。


彼が帰っても、しばらくは私は彼の体の中に

留まっていられると・・・。


わたしって、わたしって、

なんてバカな私だろう。

でも、愛してた。大好きだった。大好きだった。

私。40さい

この話は18から23までにあったことを

話しておきたい。


あのころだって

痩せた彼からしたら、

でぶっちょ

だった私は、


さらにデブデブ星人になってしまったよ。


それに


どうやら

更年期障害の前兆が。


前頭部が

ウスラハゲ状態。

きっと、女性ホルモンってヤツが足りないんだ。


私のこと江頭2:50って呼んだっていいよ。

今年中には、なりそうな勢いなんだ


かっこいい中年女性になりたいのに・・・・


まずはデブは辞めたい。


それから、治療をしよう。

今日、更年期障害の検査しました。一週間後に結果がでる。

近々、頭皮の治療にも行こう。


友人が、以前円形脱毛症になったとき

大きい病院で、頭皮に注射したとか言って、治癒していた。

同じ治療を受けられたら

改善するのだろうか。


おでこが1.5センチくらい広くなっている


頭皮と額は、肌質が違うことに気づいた。


禿げデブ。最悪だ。


頑張る

頑張る

頑張れ、私。






ごそごそとお布団の中に入ってきた。

目が醒めた私は、何を話したのか覚えていない。


1/2の夜だった。

よく覚えていないけど

寒かったに違いない。

『寒いね』くらいは言ったかも。


その頃には、私はハキが好きだと思っていた。


越えてはいけない線があって

ハキが、そんな気持になるなんて

それだけで

嬉しかった。嬉しかった。


いきなり

『俺じゃ駄目?』って言いながら

ガツンって、、キスした。

私は、驚いた。

ハキとは、私が誘惑しても、そうならないんだろうって思っていた。


たしかにお布団に呼んだのは私だったけど

洋服、ピッチリ気味のジーンズを着たままで、

脱ぎやすい格好ではなかったし、脱ぐつもりも、脱いで体の自信もが無かった。

のに・・・。


いいよって言った。好きだったっていうお互いの告白


そして。。。

初めて、他人の前で裸になった。

こわい。

力が入る。

いたいいたいたいたい・・・・

こんなにも痛いとは思っていなかった。

19さいの私。










そういって、呼んだ。


けど

もう少しテレビ見るんだって・・・。


太陽を盗んだ男

沢田研二主演。


私は寝てた。


ごそごそ・・・・

一緒のお布団。

私は、服のままだった。



ハキ。

男として何も思ってなかった。

だらしない格好でも会えた。



短大で習っていたお腹の子のことを

電話で話したりもした。

何週目だとか、大きさはどのくらいかとか。

妊婦は何を食べたらいいのかとか。


奥さんは一つ上の先輩。


背は私の肩より下で、すっごく小さい。

守ってやらなきゃって感じに見える。

でも、本当は私なんかよりも、ずっと強いひと。

子供を、産むんだから。19で。


奥さんも含めて、私からも頻繁に電話をした。

支払いが3万で、親から凄く怒られたよ。


団長とは、もう連絡もしなかった。

どうでも良かった。

夏休みに帰郷してきたとき

一度、家に来たけどHを拒んだら

それからは不通。噂では、この団長も、一つ年上の先輩と付き合うと聞いた。



そのころ、私の学校の友達をハキに紹介した。

楽しく遊べたらいいやって思って、

別に浮気を促進してるわけじゃなくて。


でも、時間がたつにつれて、私の友人がハキの格好よさに、

段々本気になってきて

結婚したい、そういう付き合いがしたいと言い出した。

私は、その友人を2度裏切ることになった。


①既婚者だとは言っていなかった。

②私と彼は付き合うことになったから、あきらめて。


と、嘘を嘘で固めた。


私は、その友人グループから孤立するという羽目になった。

しかたない。

友人に、最低なことをしたんだ。

ちょっと学校へ行くのは辛かった。

謝るにも、謝れない状態だった。無視されていたのだから。



別のグループと仲良くなった頃。

私は10月、男の子が生まれたと聞いた。

名前は、彼の名前と、奥さんの名前を合体させた名前だった。

仲が良くて、いいなぁって思った。


10月の末に、あるロックのライブがあって、

私は、バイクの後ろに乗って送って貰った。

そのとき、とっても近づいて、ドキドキした。

初めてのバイクだったのもあって、ブレーキがかかるとき

何度も、私の内ももで、彼の腰を締めてしまった。

二人とも、ドキドキしたよね。


12月になって、二人で映画に行ったね。

それから、学校に通っている私の、冬休みの予定を聞いてきいて

一緒に遊ぶことにした。

仕事は、休むのかな?


子供は、もう2ヶ月くらい。

でも、子供の話は、彼の口からも、私からも全然、話題には上らなかった。


私も19になったばかりの冬休み。

私の家には、誰もが外泊していなかったのもあり

彼は、私の家に遊びに来た。


一緒に深夜の映画をみた。

もう眠い・・・


そういって私は寝ることにした。

なんとも感じないハキを

眠たくなったら、隣においでよ

と。

まだ、見るとか言って動かなかった。


私は、先に眠ってしまった。




ハキ。

バンドの練習をするためのスタジオに

入ろうとドアに手をかけたときに隣の建物から顔を出した。

「何してんの」「見ての通りよ」


ハキ。

卒業式の日、団長と帰る私を見た、なんとなく冷たい目。


ハキ。

団長が上京する日、駅で送ったあの日。

「泣くな」と一言。

「泣いてない」と返事した短い会話。


ハキ。

「寂しいんだろ」とぶっきらぼうに電話をかけてきた。


私たちは、それから会うようになった。

性別をこえて

親友だと思えたような。

高校3年生の秋、

その高校のスクールバス。


夕方の、下校時間で

もうすぐバスも発車する時間だった。


窓の外から、呼ぶ声がした。

窓から覗くと、

経営科の男子がいた。

たれ目の優しい顔。


忘れもしない第一声

『ねぇねぇ~あの娘、なんていう名前?何組?彼氏はいるの?』

その男子は、

立っている下級生を中指で指差した。(下級生は優先的に立つものなのです)


私はその娘に、組と名前を聞いて、男子に教えた。

男子は『ありがとう』というと

走ってどこかのスクールバスに乗っていった。


すぐにさっきの子と同じクラスの男子で、

ちょっとだけ知てっるヤツが、


また同じ子の名前を聞いてきたので、

今度は、直接教えてあげた。


帰りのバスで、モテモテのその下級生と

「彼氏はいないので、最初の名前を聞いてきた男子と付き合いたい」

という話をした。

上級生の組には行けないからと、私は下級生から

伝言を頼まれてしまった。


次の日、その伝言を持ち、

その男子のいるクラスへ走った。


ところが、一番目の男子に会う前に途中で、

2番目に名前を聞きに来たヤツに会ったので

「昨日の名前聞いた子が、もう一人の男子と付き合いたいって言ってるから、直接会いに行って話してよ」

などと伝言して、私は自分のクラスに戻った。


それから、時間は流れて・・・


もう卒業間近の2月になっていた。


仮卒と呼んでいた、学校が休みの日。

私は女友達で、ギター担当の子の家へ、

卒業ライブの打ち合わせに行くことになった。

ほかにも数人、友達が来るらしい。


宴が始まり、

友人から、女ったらしとして、

泣きの相談を受けてた

応援団の団長もきていた。

すぐに意気投合して、わいわいと騒ぎ、

女たらしなどと言い、茶化していたときだった。



そこへ遅れてきたのは


スクールバスの彼!!

たれ目の優しい顔だった。


あ・・・スクールバスで名前聞いたでしょ!!

と、思い出して、笑いあった。


あの日、あの子が言った、付き合いたいという伝言は、どうやら伝わってなかった。


しかも、付き合いたかったのは、彼じゃなくて

第3の男子だったと言うことも、


それから、2番目に聞いてきた男子が

第3の男子のことを想ってか、

話の握りつぶしをして、事が進まなかったことも解かった。


そんな話で盛りあがった。


そのスクールバスの彼は、もうすぐ結婚するんだって。

今でいう、でき婚。

あ・・・当時でも『できちゃった結婚』って言っていたかも。


結婚したら、もう遊べないからと、


そのはじけ様と

飲みっぷりも

すさまじく、具合悪くなり、ベランダで吐いた姿は

後々、しばらくからかわれて続け、

AKIという名前も「はき。」と呼んでいたほど、面白い姿だった。


私は、そんなハキを、まだまだ遊びたいだろうに・・・・などと、

少し歪んだ同情で、可哀想だと思ってしまった。


ハキはとても格好よくて、きっとモテモテだろうな・・・

背だって173くらいあるかな・・・ウエストも、細っそいのっ

胃下垂っていってて

あんまり食べられないんだってさ。


変な同情と、興味。私は馬鹿だと思う。



だけど、団長が卒業したら

上京すると言ってた。


遠距離恋愛になるんだけど。

会える時間は足りないけれど、私は団長を好きになった。

だって、独身?だもの


結婚する男子とは友人としての気持ちだった。

私にとっては、同姓の女の人として

彼にとっても同姓の男の人のように、私たちは親友のような気持だった。


後日、団長の家に遊びに行った。

団長とはキスした。初めてのキスだった。

送ってくれたバス停の隣にあるガソリンスタンドから

聴こえてきた「涙のリクエスト」

初めてのキスは、ドキドキした。

これがキスというものなのか・・・

とっても、嬉しかった。


家に着くと、両親の顔を見れない。

ごめんなさい、ふしだらな私を。


でも私は、団長と離れてしまうのを、

どれほど悲しくおもっただろうか。

私たちには時間が足りなかった

前の私。

それは、今よりも17歳若い。


20キロも痩せてた。


耐えた。

寂しさに耐えていた。


いつも泣いて

いつも笑って。。。。。


我慢できなくなって

さようならをした


私、

でも、楽しかったよ。


今、どうしてるんだろう

幸せかな


今、どこにいるんだろう

暖かい部屋にいるかな

誰かと・・・・