日本の名探偵といえば、明智小五郎、金田一耕助、そして……三番目に名が上がることが多いのが、神津恭介ではないでしょうか。
残念ながらいずれの作者も鬼籍な上、浅見光彦など現役の探偵も増えているので、最近のミステリファンでは知らない人もいるかも知れないなぁ。特に――神津恭介は。
明智小五郎や金田一耕助は、テレビや映画などで何度も映像化されているから現在でも比較的メジャーです。両方とも、SMAPの稲垣吾郎が演じましたから、そっち方面のファンも知ってるでしょう。しかし、それに比べると神津恭介はあまり映像化されていないため、そこまで知られていないかもしれませんね。
ああ、神津恭介って、近藤正臣がやってたやつでしょ?
そう思い出してくれれば幸いです。そう、数少ない神津恭介の映像化の中でも成功したといえるのが、土曜ワイド劇場枠で放送された「探偵神津恭介の殺人推理」シリーズなのです。1983年~1992年にわたって近藤正臣主演の11作品が放送され、1997年と2002年には村上弘明主演の2作品が放送されました。村上弘明版はともかくとして、近藤正臣版は強烈な印象を残した人が多いはずです。高木彬光氏が創造した原作の神津恭介とは大いに異なる印象ながら、探偵ドラマとしての完成度は高いんです。
その中でも人気、内容を取っても一二を争うのは、第一作目「高木彬光の刺青殺人事件」でしょうか。
土曜ワイド劇場では、放送して人気があるとシリーズ化していく傾向があります。最近では、最初から1と銘打たれたものもあるから若干、変質しているようですが……。
従って、反響などを見てテコ入れするためか、一作目と、後のシリーズとは微妙に異なる場合があります。本作もそれがいえて、同じなのは神津恭介の近藤正臣、松下研三の大和田獏だけ。レギュラーの松下英一郎捜査一課長や、神津の妹・信子(ドラマのオリジナル)は本作のみの出演になっています。まあ、松下英一郎は、この後の五作目でやっと岸部シローに定着するまでは一作ごとに変わるんですけどね。個人的には、本作のみの信子役・叶和貴子がお気に入りだったりします。
脚本(ジェームス三木)と音楽(羽田健太郎)も本作のみの人が起用されていて、後の雰囲気と大きく異なるのも特徴です。
そして……原作ファンも見逃せないのが、原作者の高木彬光氏がカメオ出演していることです。冒頭、入れ墨コンクールの審査員として、「推理作家 高木彬光」と登場しているのは紛れもない本人なんです。さらに、四作目の「初夜に消えた花嫁」にもちょこっと出ているので併せて見てもらえると嬉しいです。
テーマがテーマなだけになかなか地上波での再放送がされにくい本作を含め、近藤正臣主演の11作品全てが、今年の1月~4月にかけてDVD・ビデオ化されました。さらに4月からはレンタルもスタートしたので、ぜひ多くの人に見てもらいたいです。ちなみに、DVDに封入された解説書は私が執筆させていただいています(苦笑)。
残念ながらいずれの作者も鬼籍な上、浅見光彦など現役の探偵も増えているので、最近のミステリファンでは知らない人もいるかも知れないなぁ。特に――神津恭介は。
明智小五郎や金田一耕助は、テレビや映画などで何度も映像化されているから現在でも比較的メジャーです。両方とも、SMAPの稲垣吾郎が演じましたから、そっち方面のファンも知ってるでしょう。しかし、それに比べると神津恭介はあまり映像化されていないため、そこまで知られていないかもしれませんね。
ああ、神津恭介って、近藤正臣がやってたやつでしょ?
そう思い出してくれれば幸いです。そう、数少ない神津恭介の映像化の中でも成功したといえるのが、土曜ワイド劇場枠で放送された「探偵神津恭介の殺人推理」シリーズなのです。1983年~1992年にわたって近藤正臣主演の11作品が放送され、1997年と2002年には村上弘明主演の2作品が放送されました。村上弘明版はともかくとして、近藤正臣版は強烈な印象を残した人が多いはずです。高木彬光氏が創造した原作の神津恭介とは大いに異なる印象ながら、探偵ドラマとしての完成度は高いんです。
その中でも人気、内容を取っても一二を争うのは、第一作目「高木彬光の刺青殺人事件」でしょうか。
土曜ワイド劇場では、放送して人気があるとシリーズ化していく傾向があります。最近では、最初から1と銘打たれたものもあるから若干、変質しているようですが……。
従って、反響などを見てテコ入れするためか、一作目と、後のシリーズとは微妙に異なる場合があります。本作もそれがいえて、同じなのは神津恭介の近藤正臣、松下研三の大和田獏だけ。レギュラーの松下英一郎捜査一課長や、神津の妹・信子(ドラマのオリジナル)は本作のみの出演になっています。まあ、松下英一郎は、この後の五作目でやっと岸部シローに定着するまでは一作ごとに変わるんですけどね。個人的には、本作のみの信子役・叶和貴子がお気に入りだったりします。
脚本(ジェームス三木)と音楽(羽田健太郎)も本作のみの人が起用されていて、後の雰囲気と大きく異なるのも特徴です。
そして……原作ファンも見逃せないのが、原作者の高木彬光氏がカメオ出演していることです。冒頭、入れ墨コンクールの審査員として、「推理作家 高木彬光」と登場しているのは紛れもない本人なんです。さらに、四作目の「初夜に消えた花嫁」にもちょこっと出ているので併せて見てもらえると嬉しいです。
テーマがテーマなだけになかなか地上波での再放送がされにくい本作を含め、近藤正臣主演の11作品全てが、今年の1月~4月にかけてDVD・ビデオ化されました。さらに4月からはレンタルもスタートしたので、ぜひ多くの人に見てもらいたいです。ちなみに、DVDに封入された解説書は私が執筆させていただいています(苦笑)。