5月の観劇は続きまして「ごんべい」です。
もっと早くに上げたかったけど長くなっちゃって書くのに時間がかかって…!!




 

で、こちらは闇狩人とは違い、劇団さんの本公演。

ゲキバカという劇団でゲキバカの前身の団体時代から数えて再々演、しかも「ごんべい」をやるのはこれが最後ということで。

 

出来るだけ予習をしてから観劇に臨む派なので再演を観てから観劇しようと思ったのですが、前のを観ている人達から「再演を観ずに行け!」と勧められたのでそのアドバイスに従って観て来ました。

 

ちなみに今回は【赤組】と【緑組】のWキャストになっており、東京公演に関しては役によってはかなり色々な人が演じているものもあります。

完全なWキャストな部分と一部シャッフルキャストな部分があって、赤組にしか出ない・緑組にしか出ない、という人もいれば両方出ているけど違う役を演じている人もいる、といった具合です。

アンサンブルの『ごんべい衆』はほぼ全員共通なんですが、それでも赤組と緑組で同じ脚本なのに大きく違うために合わせていて違いがたくさんで。

 

とにかく赤組と緑組、まったくの別物といっていいくらい違うのです。

同じ脚本とは思えないくらい違うのでDVD発売に関しましては両組出して欲しくて仕方ありません(現時点で確定しているのは緑組の発売)

 

そんなわけで赤組と緑組、違いすぎるので感想も2倍になっちゃいそうです(笑)

なので控えめに……さらっとを目指すのも難しいだろうから書き散らかして自分でこれはもう長すぎるだろうと思った辺りで止めようと思います!

多分長いのでお許しください!でも読んで興味持ってくれたら嬉しい……DVD購入してくれてもいいのだよ。チケット一枚買うのと変わらないお値段でリーズナブルだよ!!

しかも来年以降に『ごんべい2(仮)』が決定したのが大阪の大千秋楽で発表されたそうなので今から予習しておいて損はない!!

 

 

 

 

 

さて、ここからは普通にネタバレ含んでいきますのでネタバレ無理な方はご注意を。

先人に教わったとおり、観劇してないけどDVD買っちゃうぞ!って予定の人は見ない方がいいかも。

もし参考にして買ってみようと思っているなら……参考になる、かな?

あらすじはざっくりゲキバカのホームページとかに載ってるし、実際に観るのは違うから感想見て「そんな感じね~はいはい」ってならないはず。

 本当に個人的な感想を勢いのままに書きます。観る人によって感想が違うのはよくあることだからね!

 

 

 

そんなわけでワンクッション。

 

ツイッターやインスタ見ている人は知ってるだろうけど今回のは役者さん達の衣装をモチーフにしております。
やっぱりなんとなく舞台のイメージに合わせた服装したいんだ。


で、今回は日程都合で二日間しか行けなかったんですが、一日目は赤組からだったのでそこ意識で赤い和柄モチーフ。

会社から行ったのでわりとカジュアルめに。

 
二日目は狐+イタジ(という役がいるのです)推しってことで紫の和柄で。

髪にも狐面のヘアピン、ネックレスは稲荷神社のトップを作成しました。

 



上が1日目、下が2日目ね。



それにしても2日目、服の形状とベースカラーを白ではなく黒にしたのと帯の柄もあいまってヒロインのまとい大好きな人になりました。

だって赤組も緑組もまといが可愛いんだもん!!

いや、全員かっこよくて可愛いんだけど!!

どうにも女の子の可愛さは特別だよなって思うわけですよ!!

女の子万歳!!!!!!

 

 

 

脱線しました。

まずはストーリーについて。

 

 

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華のお江戸で巻き起こる狸と狐の大化け合戦!

娯楽スペクタクルの幕が開く!

 

江戸火消し「鬼組(きぐみ)」の元に、ある日どこからともなく若者が現れる。

名も出自も明かさない。ついたあだ名は、ごんべい。

このごんべい、実は狸族の王子。

人に姿を変え、自分の親族を皆殺しにした狐族への敵討ちを誓う。

しかしながら狐族の足取りはつかめず、火消しの娘に禁断の恋をしてしまう怠惰な毎日。

一方の狐族。

こちらも人の姿を身にまとい、吉良のお屋敷を乗っ取り悪行の限りを尽くす。

人間に恨みを持つ狐族の長、九尾狐は江戸の転覆を狙っているのだ。

相次ぐ江戸での火事。

ごんべいはついに狐族を見つけ、火消しの衆とともに吉良の屋敷に討ち入りをかける。

「夏には雪を降らせましょう。冬には桜を咲かせましょう」

生きるとは何か?人間とは何か?

異形の者、ごんべいが江戸に奇跡を呼び起こす。

 

<チラシより全文転載>

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と、こんな感じです。

 

 

ストーリーはとても分かりやすく、誰でも初見から楽しめる娯楽そのものです!!

で、何がどうってストーリーが分かりやすい分、悩むことなく物語に入り込める!!

そして娯楽スペクタクルとなんかちょっと壮大っぽい表現をされていますが、本当に引き込まれます。

 

前座というか開演前解説でお決まりの「音の出る機器の電源オフ」の説明に加え、オープニングダンスがあるということ、そしてそこでの演出についての説明があり、その演出に参加して欲しいとのお願いをされるわけですが、そのオープニングダンスが一気にズズズッと『ごんべい』の世界に誘ってくれるのです。

 

 

で、このオープニングダンスの前に導入で江戸の作家先生とお弟子さんのやり取りがあるのですが。

 

この作家先生とお弟子さんの役は本当に色んな方が演じられてて……DVD収録されるのはどの回だったか覚えていませんが、どの先生もお弟子さんも個性豊かで!

 

私は東京初日(赤組)に初見だったのですが、その時の先生は浪曲師の春野恵子さんですんごく惹きつけられました。

浪曲ってほとんど聴いたことがなかったし、当然生で聴くのは初めてで……独特の節回しが波のようで、その波長に引っ張られるというか。

歌うような独特な言い回しを「唸る」というそうですが、あの感じを上手く表現した言い方だなあと思いました。

そしてこの春野恵子さん、世代がバレる感じにはなりますが某無茶ぶりバラエティ番組で東大受験をするコーナーで家庭教師をされていた恵子先生だそうで。

恵子先生が浪曲師やってたことが衝撃でした……最前列の南北先生のど真ん前で「……あっ!…あー!ええ!?」ってリアクションしてしまったんですが、きっと会場全体そんな感じだったに違いない。

ちなみに別の回では赤組のごんべい役の洋二郎さんや緑組のごんべい役の康太郎さんが先生役で出てきたりするのですが、そっちは笑いの世界に引き込む感じです。まさにゲキバカな感じ(笑)

どの先生もお弟子さんも面白かったです!

おでこに『肉』を本当に書いちゃったりもしてて……すぐに落ちるのかな、あれ?w

そんなわけで冒頭から引き込まれ、オープニングダンスは圧巻で!!

 

正直なところ、このオープニングダンスだけでも価値があるんではないかと!!!!

 

前作のNBL大作戦もそうでしたが、とにかくオープニングダンスが好きなんですよね……伊藤今人さんの振り付けが好きなのかもしれない。

物凄い格好良いし、物語性があって、登場人物を紹介するのはもちろんこの後への期待値をグググッと力業で上げまくってくれる感じなんですよ!

言葉で言い表せないくらい興奮するのでこのシーンだけでも観ていただきたい!!

演者さんのダンスも揃ってるし、最後の観客の掛け声や事前説明と共に渡されて投げる紙テープもお祭り感が凄く合ってて。

 

 

そして始まる本編!

 

 

もうね、ここまでで十分なくらい堪能しているんですが。

 

 

お洋服好きの私としては声を大にして言いたい!!

 

 

赤組緑組
ごんべい衆以外は
全員衣装も髪型も違う!!

 

ここ重要!!!!

 

 

通常Wキャストでも衣装は単一なんです。それを全員が違う!!火消し衆の法被なんて素材も柄も違うの!!

ここまで変えてくるの大変だっただろうなあ……って。

髪色も違うし、髪形も違うし。

 

ごんべい含め、鬼組の人達は赤組も緑組も全体的に現代テイスト混ぜた和パンクもしくは和ロック。

赤組は髪も赤メッシュが入ったり小物も諸々赤で統一なので黒×赤でパンクテイスト強め。

対して緑組の方は江戸の色味で和色彩系の緑ベースの緑×黒もしくは藍×赤×柄でより和というか江戸感のある感じ。こちらも髪色に緑が加味されております。

これがどちらもそれぞれの組の役者さんに似合ってて…!いや、きっと逆でも成り立っただろうけど絶対こっちだな!って思わせるしっくり感!!

ちなみに赤組も緑組も狐は白×紫、イタチとの混血のイタジは薄めの茶色×カーキ系統の縞模様でしたがどっちも衣装が違うしイメージも違う!!

イタジ推しな服の色の日もあったわけですが九尾狐様がどっちも好き過ぎて……!

あとね、お江戸ギャルというか鬼組追っかけ娘達の衣装も大好きで!!それぞれの女優さんたちに凄く似合ってるし可愛い……赤組も緑組もキャストも衣装も全部違うお嬢さん達、本当に可愛くて!

キャラクター的にも全員が全然違うんだけど一人一人、女の子の可愛さ、パワフルさ、いじらしさ、強さ、したたかさ、えげつなさを持ってるし表現の仕方が違って面白くて。

女性なら『分かる』『いるいる』『あるある』『こういう子知ってる!』なんて感想が絶対出てくるはず。

 

 

そんなわけで本編が始まって娘さん達のやりとりからのイタジ登場。

 

どっちもチャラい!!ww

 

それぞれがそれぞれに似合うチャラさを身に纏って出てくるわけですが、赤組はナンパなお兄さんで上手いことヒモになってそうなタイプ、緑組もナンパだけど普通に複数の女を食いモノにしてそうな感じ。

当然悪役側なのでおなご達を騙しているわけです。

いいぞいいぞ、その分かりやすい悪い顔!みたいな。

ここでカマイタチにおなごの着物が切られるシーンがあるんですがカマイタチとイタチは違うぞ?とか余計なことが一瞬頭を過ぎった……イタジは狐じゃなくてイタチの混血なんだぞって伏線だろうけど。初見の友人達にも同じツッコミをされたので妖怪モノをかじってたら気になるのかも。

それにしてもキョーンって鳴き声が可愛いです、イタジ。

 

あ、南北先生とお弟子さんのシーンから吹っ飛ばしてオープニングダンスに行きましたがその前にごんべいとまといと龍兄のシーンがあります。

 

ここでもう三人の関係性がちゃんと分かるんです。

ぶっちゃけ、私は今回アドバイスを元に公式の出してるあらすじとキャラクタービジュアルを見ただけで観劇に臨んだのでほぼ知識がない状態だったわけです。それでも分かる、ごんべいと龍兄、龍兄とまとい、まといとごんべいの関係。

空気がね、関係をちゃんと伝えてくるんです。

大きな出来事は何もない、本当に導入の一幕なんだけどこれがこの後の主軸になってると思う。っていうか、そう思ってストーリーを観ていました。

 

何より赤組、緑組どちらの龍兄もまといも本物の兄妹に見える。

顔が似ているわけでは全然ない。でも、どうしようもなく同じ血が流れているように見える。なんだろう……役者さんて凄いな、としか言いようがないというか。

 

赤組の今人さんと小玉百夏ちゃんの兄妹。

緑組の中山貴裕さんと沢辺りおんちゃんの兄妹。

どっちも役を演じるというより生きてて。

 

衣装と一緒でパンキッシュな赤組兄妹は比較的歳も近くてよく兄妹喧嘩もしちゃってて、龍兄はまといを育てながら「俺、親代わりなのにやっちまった~」って頭抱えてそうだし、まといはたった一人の家族で育ててくれてる感謝もありつつ対等な喧嘩もそんなに嫌いじゃないから立ち回りも男に負けなくなっていった感じ。実際赤組のまといちゃんを演じている百夏ちゃんのアクションは凄い!

緑組の兄妹は江戸っぽいのに現代っぽい、歳はそれなりに離れてるけど親代わりするにはしっかりしてねえんだけどなあって不安に思いつつも頑張ってまといを育ててきて、そんな一生懸命まっとうに頑張ろうとする龍兄を見てしょうがねえなあって支えられる人間であろうと育ったまといちゃんって感じがするのです。

 

どっちの龍兄もまといちゃんを本当に命より大切にしているし、まといちゃんも龍兄を大好きなんだなっていうのがどっちもすっごくて。

そこにごんべいが加わって、人間の【情】が描かれていく――。

 

思い出しながら書いているけど、ここまででも息切れしそうなくらい好きで、ひとつひとつのシーンについて書いてたらとんでもない量になりそうな気がする(笑)

 

 

主人公のごんべいに関しては主軸になる気持ちは3つ。

【狸一族への申し訳なさと狐一族への復讐心】

【まといに抱く種族を超える恋慕】

【鬼組の仲間への信頼と後ろめたさと龍兄に対する親愛】

もうこれだけでメインは完結する話ですが。

 

狸と狐の化合戦と聞くと平成狸合戦ぽんぽこを思い出します。

あっちは狸vs狸のお話ですけど。

人間が知らないところで化けて戦ってるってちょっと可愛いなあなんて思うのですが、ごんべいの狸一族が負けた合戦では狸一族は皆殺し、しかも物理的に食われているという……怖すぎる。

そこまで憎いのか冷酷なのか――獣だから人間の物差しで考えることではないのかもしれないですけど、やっぱり狸汁にして食うとか……やっぱり残酷。自然界の狩りだとすると不必要な殺生だし。そこがこの舞台で悪役になる所以ですね。

 

狐一族に関してはとにかくビジュアルがサイコー!!と叫びたい。

もちろん演技も凄くいいんですけど、この2.5次元感が!!

カテコの紹介で狐の皇子な兄弟が「ごんべいの2.5次元枠」と紹介されていたのですが、二人のお母様の九尾狐様も狐の軍師の爺もイタチとの混血のイタジも2.5次元枠だよ……!!

思考回路は全体的に狐一族は結構ヤバめ。

爺は齢800年(軍師になって800年だっけ?)の軍師だけあって本当は結構酷いんだろうけど、直接的に「コイツ、ヤバい」ってシーンはなくて、むしろ混血で虐げられているイタジに手を差し伸べてるから優しく見えた。赤組と緑組の違いに関しては結構キャラクター差があるものの、赤組の九尾狐様には赤組の、緑組の九尾狐様には緑組の爺が相応しい感じでした。それもやっぱり九尾狐様が赤組と緑組でイメージもビジュアルも全然違うから!!

九尾狐様を基準にするからか、狐皇子二人は特にお母様である九尾狐様のタイプが違うことにより差が生まれる感じでした。

 

そんな狐一族の長であり、他の狐一族のキャラクターの基盤になっているように思えた九尾狐様。

赤組の九尾狐様はロングの髪とお着物が色っぽくて女性的、でも狡猾で表情が時々ものすんごく怖い、まさに女狐。

個人的なイメージとしては封神演義の妲己に胡喜媚混ぜた感じ。きゅるんとしてて可愛いんだけどどろっとした妖の空気と怒ってる時の表情が人間のそれではないというか…金の助と銀の助に対する時は声が甲高く可愛くて、でもモンペっぷりも凄いし、イタジには殺気さえも含んでて、ごんべいや人間は物凄く馬鹿にしてて嫌ってて……女の悪い特徴を煮詰めて良いところも少し足して作り上げた感じなのかもしれない。

緑組の九尾狐様はサバサバ格好良くて元ヤンぽさがある感じ。

女狐ー!!って感じより一族を率いてる!!っていう強さを感じるし、衣装もショートヘアーに体の細さと中性感を出すような和洋折衷な衣装でコルセットがまた禁欲的で人間の肉を喰らう欲望とのミスマッチがなんとも言えず!!!!金の助、銀の助にも甘いんだけど姐御!!って雰囲気が……ついていきたいお狐様!!

 

しかしどっちにしてもイタチなんかとの間に出来たいらない子!!ってイタジに冷たくする九尾狐様。

なんでそんな嫌うくせにイタチと致したのか……イケイケで浮気しまくりだったんじゃない?とうちのお姉様か言ってたけど、それもまあ獣ならあるかな…あとは旦那が狐の王様だから若いのに乗り換えちゃってあんまり構ってもらえなくて浮気、とか? 逆に気を引くために浮気したらうっかり出来ちゃったパターンもあるかも。

 

とにかく母親に疎まれたイタジはきっと育児拒否をされたに違いない。だからイタジは爺に預けられたに違いない――とお姉様と盛り上がっておりました(別日に観劇してるから電話だのLINEだので盛り上がってる)。

で、二人で盛り上がった話を混ぜつつイタジの育ちを考察。

 

個人的には爺は奥方を早くに亡くしてて、一人娘は好いた男と一緒になりたいんだと身分の低い男のところに嫁いで苦労してる設定で…反論されなかったからお姉様の同意を得てると勝手に思っておく!

で、だからお母さんのことを「おカアちゃん」と呼んじゃうし、「アカギレだらけの手」が懐かしくて好きなんじゃないかと。でも一応は一族の長である九尾狐様の御子息なわけで、爺の一人娘は「イタジ様」って特別にしてくれたけど実の子供みたいにはしてもらえなくて寂しくて、コマメに様子を見に来ていた爺に「じいじ、じいじ」って懐いたんじゃないかと……そりゃあ自分が会いに行くとめっちゃ嬉しそうに素直に育ってるイタジが可愛くて爺も他の皇子よりも可愛く思うし九尾狐様に認められるように応援もするだろうなって。

 

全部妄想だよ!

恋太郎にも描かれていない背景があったし、イタジ含めて狐一族もみんな背景があるはず。

 

って、こうやって一人ずつ考察して背景考えて――ってやってると感想がえらい長さになってくるわけで、ごんべい衆含めてキャラクター全員の背景とかも考えてなくないけど語り出すといつまでもごんべいロスになっちゃいそうだからこの辺で切り上げる!!!!


 むしろこれ、ここまで読んだ人いるの…?(笑)

 

DVD届くの楽しみだし、上映会って言葉も柿ノ木さんからリプあったし、ごんべい2の発表もあったしで楽しみだー!!