村上春樹さんが読者の質問に答えた書籍

「村上さんのところ」。

 

 

その中で「自分に正直に生きている気がしない」

という話にこう答えていた。

 

 

人はみんな、

それぞれに役柄を与えられています。

その役柄をこなすことと、

自らに正直であることは必ずしも一致しません。

 

というか、

一致しないことのほうが多いかもしれません。

人は多かれ少なかれ、その不一致を

うまくすり合わせながら生きています。

 

でもときどき、

そのすり合わせに疲れてしまいます。

それはよくわかります。

 

じゃあ、自分に他に

どんな役柄の選択肢があるのか?

ふつうの場合、あまりないですよね、たぶん。

 

だとしたら、

 

与えられた役柄を不足なくこなしている自分を

できるだけ客観的にテクニカルに評価し、

 

愛する(あるいはいとおしむ)ように

つとめるしかないんじゃないでしょうか。

 

自らに正直な自分だけを愛していると、

人生はいささか薄く、

一面的になっていくんじゃないかという気もしなくもない。

 

ぼくに言えるのはそれくらいです。

 

いや、わたしはそんなすり合わせに

終始する生き方はいやだ、

もっと自分に正直に生きたいと言われたら、

ぼくにもなんとも言いようはありません。

 

それはまったくの正論ですから。

 

 

 

 

なるほどなー、と思う。

自分に正直に生きていたら

広がりやしなやかさに欠けていきそうな。

 

やんわりとした感じが

何とも村上春樹さんらしい。

(*´ω`)

 

 

文章もほーんと彼らしい。

 

「いささか」が入っている

完璧とも言えるハルキ節(笑)

 

 

ヒプノ的に

脳はこういう文章を喜ぶのではないかしら。

 

私は村上春樹さんの本は

読んでいるとちょっと

トランス状態になるというか、

違う次元に行ってしまう気がする。

 

 

だからこそ、彼の世界に

スルっとドップリはまり込んでしまう

 

 

はまり込むから

私は彼の小説を読むのに勇気が要る。

 

だって一度読んだら止まらない。

一時中断するのが大変なんですもの。

(* ´艸`)

 

 

というわけで買ったまま長いこと読んでない春樹本あせる