マンションの一室

彼女はでたらめな番号に電話をかける

何回も何回も

相手が出るとすぐさま受話器を置き

また別の番号をプッシュする

 

ときには誰も出ずに呼び出しがつづく

するとコール音が鳴り響く部屋というものを

いろいろと想像してみる

 

それが就寝前の日課のようなもの

それからコップ一杯の水を飲み

耳栓をして眠りにつく

 

真夜中に絶望的な気持ちから

目が覚めてしまうこともたまにある