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ゆめこシリーズ「空を飛べなかったツバメ」「ほっこりするね」「想い出の走馬燈」の著者のふじもとじゅんこです。

私はブログの広告収入を得ないで投稿しています。

 

ゆめこの初恋物語

文・ふじもとじゅんこ 

 

 

《第25話》…(その2)

 

ゆめこ生々流転の人生を語る

 

ゆめこは心の内をのっぽに打ち明けるわけでもなく、ただひとり言として聞いてもらいました。

 

ひとり言

 

『私は大阪の銀行勤務時代、周りに誰一人ずるいことをする人がいなかったから私は人にすごく恵まれてた

なのに…なのに…

‥‥‥‥‥

‥‥‥‥‥

地方の人の中にずるいことをする人がいたんだよ

22才の時私はその人に……………………………

 

私はあんまり親しくない女の子友達から、その人と会ってあげてほしいと頼まれたの

でも付き合う気が無いのに会うなんておかしいから断ったの

それでもその友達は強引に頼んできたから気が弱い私は仕方なしに会ったの

そしたらその人は私と一度会ってから後に無断で私が望んでいないようなところに連れて行くような人だったの

だから、その人とのお付き合いを断ったの

でも口下手な私と知恵の働く相手とでは自分の勝ち目はなかった 何度断っても糠に釘だったの

その時、誰かに間に入ってもらおうという考えは馬鹿だから思いつかなかった

だから相手が強引過ぎて気の弱い私はその人と結婚することになったの

私は子どもみたいなところがあるから馬鹿に映ったんだよ

いろいろな出来事に対して毅然とした態度がとれない女性だとその人に見抜かれてたんだよ

だからその人は私がおとなしくしていると思ったから私に…・を振るったんだよ 力づく… 

それで私は傷つき過ぎて壊れちゃったの その時からおちゃめで天然の私は姿を消したの 本当の私は消えちゃったの

誰も信じないけれど生きるために自然と別の自分が現れたんだよ

だって、結婚してから一度ものっぽちゃんのことを私は思い出さなかったもの

結婚することになった頃から本当の私はフリーズしたんだよ

でもね、その24年後に離婚したら、しばらくしてからフリーズしていた心が奇跡的に溶け出して、のっぽちゃんを思い出したの

コブクロの「朝顔」の曲を聴いてたら、のっぽちゃんを思い出したの

初めて出会った頃ののっぽちゃんを思い出したの

のっぽちゃんの笑顔と陽だまりのようなあったかい時間を思い出したの

自分はのっぽちゃんの前では素の自分でいられたことを思い出したの

そしたら涙が溢れ出したの

これまで素の自分を出せない生活の中で傷ついた自分がすごくみじめに思ったから涙が溢れ出したの 

そんな夜は泣き明かして朝を迎えたの

そしたら答えが出たの

自分の気持ちをのっぽちゃんに洗いざらい聞いてもらおうと思ったの

だから、のっぽちゃんに手紙を書いて出したの

 

‥‥‥‥‥

‥‥‥‥‥

結婚してた頃、私は家族に振り回されてるように感じたよ

私は結婚して立場とか世間体とかも含めて年相応のしゃべり方や態度を家族から求められてたから私なりに頑張ったけど空回りばっかりしてたよ

私はぬるま湯のようなところでほんわか育って打算的な考えを持ち合わせていないから自分なりに誠心誠意努力したんだけど…私が家族に真心を尽くして喋ったりしても感謝されることがなくて、逆に怖い顔をして「何か魂胆でもあるんか!」って言われたんだよ

‥‥‥‥‥

‥‥‥‥‥

辛すぎる時は声のトーンまで下げてしゃべったよ

そんなふうにしかしゃべれない自分は可哀そうだと思った

‥‥‥‥‥

私はパーフェクトな人間じゃないから人一倍頑張ったの

でも、どんなに頑張っても頑張っても怒鳴られることが多くてすごく辛かった

家族の中で私はイライラさせる存在だったんだよ

‥‥‥‥‥

 

罵声を浴びせられる生活が来るなんて二十歳の頃の私には想像もつかなかったよ 

□□□□□□□!□□□□□□□□□!□□□□□□!って怒鳴られたり、

□□も□□も□もおいて□□□□□□□□!! って怒鳴られたり、

嫁いだ家は農家だったから預かり物の検査米が一つ無くなった時は私の責任にされて、□□□□□□□□□□□!□□□□□□□!□□□□□□□!□□□□□□□□□□□□□□□□!って鬼のような形相で向かってきてむこうずねを思いっきり‥‥‥‥こともあった 土下座□□□□□□□□!

って言われて私はコンクリートの上で・‥‥‥‥‥

その時、私は涙でぐしょぐしょになりながら痛い足を引きずって近所の農家さんに検査米をもらいに行ったの 外は真っ暗だったよ 帰る途中、田んぼの真ん中で泣くだけ泣いてから家に帰ったんだよ』 

 

「そんなこと誰が言うの?」

『‥‥‥‥‥

その人は私以外の人に罵声を浴びせることなんて無かったし、いや~な言い方もしないんだよ すごく丁寧な喋り方をするんだよ』

‥‥‥‥‥ 

ゆめこは、この時、目に涙をいっぱい溜めていました。

 

(その3)へつづく