「生頼範義展 Ⅱ 記憶の回廊」みやざきアートセンターの皆様、ご苦労様です。
生頼氏が母校の川内高等学校に寄贈した作品が、今回特別に展示されています。戦争をめぐる人間の残酷な運命が壮大なスケールで描かれた幅3mの大作です。圧倒されます。反時計回りに90度回転させて載せているので、左が上です。(これはパンフレットの写しです)
ウルフガイシリーズや小松左京氏の作品等の書籍表紙の原画、写真と見紛うばかりの人物画、人物点描画、家庭の医学の挿絵など、商業ベースに乗った素晴らしい作品群。これは「MAD MAX2」(ノ´▽`)ノ
しかし、今回の注目はイラストレーターとはまた違う、生頼氏の画家としての側面です。上記の「我々の所産」を始め、「破壊された人間のための習作」連作、「軍艦」連作、「重慶」「ベトナム」「イラン」。いずれにも、戦争に翻弄される人間の姿というモチーフは共通しているようです。
「SFアドベンチャー」の表紙原画を集めた「91人の美姫たち」撮影許可エリアでした。
生頼氏は下書きのない状態から点描を始め、
このような人物画を完成させることができたそうです。卓越した構想力、それを具象化できる突出した画力、外出せず人とも会わずひたすらアトリエで描き続ける情熱、まさしく孤高の人です。アトリエを再現した模型に置かれた丸太椅子に座りながら、この天才の仕事場に想いを馳せました。
次の「生頼範義展 Ⅲ」を計画中とか。楽しみに待っています。