②本の装丁


今日は高須梅渓著「源氏の人々」(実業之日本社・大正3年9月5日発行)をご紹介いたします。


まずは図1をご覧下さい。これは「源氏の人々」のカバーです。


図1


次に図2をご覧下さい。これは大正9年に再発行された同書の表紙です。


図2


この2つの絵は全く同じもののように見えますが、実は図1が夢二のもので、図2は夢二の絵にそっくり似せた模写偽版なのです。ぱっと見ただけではわかりませんが、よくみると違いが分かると思います。違いがはっきりするのはサインの部分です。


図3


図4


図3が夢二のサインで、図4が模写版のサインです。どういった経緯で全く同じ絵を模写したのかはわかりませんが昔はこのような面白いこともあったのでしょう。夢二の装丁した「源氏の人々」は、カバーを外すと図5のような表紙が見られます。模写版にはこの絵はありません。


図5