②本の装丁


前回お見せした「お伽草紙 動物之巻」ですが、字が読みづらかったと思いますので、本日は文章を添えてもう一度ご紹介したいと思います。






象の縄飛

大きな身体をして象が縄飛を

はじめました。

たいへん上手そうに見ゑました。


大きな足が縄へ引掛かって転んぢまいました。

手を一本と牙を折ってしまいました。




象はお友達の熊と人形とに援へられながら、

やつとこさ病院の方へ歩いてゆきました。


お医者様の言はれるやうに、

よくお薬をのんだので、

すぐによくなりました。






これは寅太郎君が散髪をしてゐる所です。

紙を縮らしたり、香水をぶっかけたりして

たいそうハイカラになりました。




母鳥「ほら、お帰りなさるよ。

   お迎へに行きませう。」


小鳥「お父様、お帰りなさい。」


父鳥「帰ったよ。

   お前の好きなお土産があるんだよ。」