②本の装丁


今日は与謝野晶子著「行って参ります」(大正8年5月25日発行)です。与謝野晶子に依頼された夢二の装丁本はこのほかに「私の生い立ち」があります。


夢二は自著「山へ寄する」の巻頭に与謝野晶子から歌を寄せてもらっています。ですからかなり交流があったと思われます。


この「行って参ります」のカバーはとても美しく夢のあり、見れば見るほどに引き込まれちっとも飽きることがありません。


川の中には魚が飛んでいるように生き生きと描かれ、象には5人、ラクダには4人の子供が乗っています。帽子の子、着物の子、スカートをはいた子、様々な格好で子供たちは描かれます。遠くには家があり、川には舟が浮かべられ、子供たちの「行って参ります」という気持ちが伝わってきます。


カバーの絵をじっと見ているとさらに色々なことが想像されます。本当にすごい絵です。


カバー表

カバー裏


カバーを外して表紙の絵が、植物の葉のようですが夢二は何を言いたかったのでしょう。皆様、色々と想像をして見てください。
表紙


見返しは汽車や馬、絵本、動物など子供たちがあこがれるものがびっしりと描かれています。とても楽しい本です。

見返し