①雑誌―女性向け(若草)


「若草」は、女性向けの投稿文芸誌として大正14年に発刊。当時雑誌の創刊が相次ぎ、しのぎを削る中、夢二の才能を見抜いた「若草」の担当者は、その表紙を夢二に託し、カットや文章なども依頼しています。


大正14年 創刊号

夢二の表紙絵は、月刊誌として大切な季節感が詩的な色彩や構図によって美しく描かれ、それは写真ではとても捉えることのできない情景を見事に表現しています。


「若草」の表紙は、創刊号からほとんど夢二が描き、足掛け7年、その数は実に74冊にも及び、全てを見渡すと圧巻です。


当初3回は単に女性を描いていたのですが、回を重ねるごとに自然の風物や季節感をシンボリックに表現するようになり、夢二の画風の変化をつぶさに見ることが出来ます。


大正15年 新年号


昭和9年 新年号


大正15年 5月号


大正15年 5月号 「謎」