平成20年度の展示計画が決まりましたのでこのブログを通してお知らせいたします。 展覧会名は「美の天才竹久夢二のすべて」といたし、4回に分けて行ないます。


第一期 6月1日~6月25日

第二期 7月1日~8月31日

第三期 9月5日~11月25日

第四期 12月1日~12月29日


 この展覧会の特徴は、毎回夢二の仕事のすべての分野を網羅したものです。ですが各期ごとにその中心となるものが違います。


それは、

 第一期(6/1~6/25)がデザイン

 第二期(7/1~8/31)が油絵、子供絵、屏風と人形

 第三期(9/5~11/25)が黒船屋など絵画

 第四期(12/1~12/29)が楽譜著書などが中心となります。


 特に第二期(7/1~8/31)では油絵、子供絵、屏風と人形を、岡山の夢二郷土美術館様から借用しその充実を図る予定です。






 ところで話は飛躍しますが、上図は夢二が滞米中に開いたスタジオにかけた看板です。ちょっと気味の悪い図柄とお思いでしょうがこの手は右手で、その手のひらに眼を描いています。

 長い間この謎めいた絵が何を物語っているのか、何を言おうとしているのかずっと考えたのですが、あるときここに夢二の創作活動の原点が象徴的に描かれていることがわかりました。本来芸術家は、ものを捕らえる目が確かでなければならない。

 見えないものも見えるものも全てを見る目、そしてそれを心に捉え、卓越した技術、つまり手によってそれを表現する。夢二は物を見る目と物を表現する手が高度に研ぎ澄まされ調和することが芸術家にとって大変重要なことだといいたかったのかも知れません。


 さて、そのような姿勢から生み出された夢二芸術とはどんな内容か改めてご紹介しておきたいと思います。ご承知のように夢二の仕事は非常に多岐にわたり、あえて分類すると、次のようになると思います。

それは、

(一)絵画  

   日本画・油絵・版画・素描


(二)出版

   雑誌・本の装丁・楽譜・絵はがき


(三)デザイン

   浴衣・半襟・便箋・ポスター・千代紙

 

(四)文学  

   俳句・和歌・詩・小説・エッセイ


(五)工芸品 

   人形・茶碗・羽子板


(六)創作以外の活動

   港屋絵草紙

   どんたく図案社

   榛名山美術研究所

   ドイツベルリンの画塾で教師

   書簡


 

 では明日から各分野ごとに詳細な説明をいたします。


館長 木暮 享