もし何か事件があって、

記者の取材に答えた、近所の大人たちは

「あの子は、勉強できて、まじめな良い子だよ」って

必ず、言われていたと思う。


高1の1学期までは、


その夏休みから、人生が変わった。


中学からバンドをやっていて、

アマチュア・バンド・コンテストに出たりしていた。


進学すると、

その頃、多少は有名だったバンドの欠員として声を掛けられた。


先輩がプロとして上京するための補充だったみたい。


たった1週間の練習を終えると

週末はライブハウス

夏休みは、遠征にメディア出演や野外コンサート

ばれないようにリーダーの、いとこのお姉さんから

ワンレンの長いカツラを借りていた。


継ぎはぎのジーンズに、ロンブーにサングラス!


だれ風か?


クリーム時代のクラプトンかな


そこそこ身長もあったから

先生も補導員も誰も気がつかなかった。


なんでバンドだったんだろう、何かを表現したかった。

注目してもらいたかったのかも


その頃の、周りの女子はほとんどが年上で

子供の自分には、別の世界の

大人の女としか、見えなかった。


その何年か後で、気が付く事だけど、

勿体ないとしか言いようが無い(笑)


そう、まだ15、16、17歳だもの

背伸びしてたけど、子供だったんだね!


しかし、楽しい時間はそんなに長くは無かった。


背伸びをしている分、精神的につらくなってきていた。

営業ではあまり好みじゃない、楽曲のコピーもやらされた。

あとで数えたけと、高校時代の3年間のうち、

延べで2ヶ月くらいしか実家にいなかった。


自分では不良とは思ってないけど、

周りから見たら、立派な不良だと思う。


突っぱっていたけど、まだ、親に甘えたかったのかも、

クラスの友達と遊びたかったし、

卒業写真で、丸で囲まれずに写りたかった。

そして上京することになる。