あらすじ

成人女性が未成年という設定のもとSNSへ登録すると、どういったことが起こるかを検証したドキュメンタリー。巨大な撮影スタジオに作られた3つの子ども部屋に、幼い顔立ちの18歳以上の3人の女優が集められた。彼女たちは12歳の女子という設定のもと、SNSで友達募集をする。その結果、彼女たちにコンタクトをしてきたのは、2458人もの成人男性だった。精神科医、性科学者、弁護士や警備員など専門家による万全のケアのもと、撮影は10日間にわたり続けられた。撮影されているとは気付かず、何も知らずに卑劣な誘いを仕掛ける男たち。彼らの未成年に対する容赦ない欲望の行動は徐々にエスカレートしていく。監督は、チェコで活躍するドキュメンタリー作家のビート・クルサークとバーラ・ハルポバー。



全編を通して感じる不快感。気持ち悪さ。

何度か鳥肌がたった。


出てくる男性はプライバシー保護のためのぼかしがかけられているが、目元と唇の動きは読めるようになっている。その眼光から十分に怪しさがわかる。人間の目の動きは誤魔化せないというが、目の動きだけで十分にヤバさが伝わってくる。


とにかく会話として成立していないことが怖い。段階的に進めらるべきコミニュケーションをすっ飛ばして、いきなり局部を見せつけてくるその精神性のヤバさ。その心理がもっと解体されて欲しいとも思うが、それは描かれることはないので、やはり恐ろしい記号となる。


太った男が、デブっぱら越しに局部を見せてくるシーンの気持ち悪さは凄かった。


ここに出ている人たちを変態だとは思わなかった。変態性は誰しもが持ちうるものであって、ここに出てくる人たちは明らかにそれらの使用法を間違えた人たちだと感じた。間違えてしまった原因が明かされないが、そうなってしまった過程を知りたいと感じた。恋愛経験の少なさによるものなのか、著しい加虐性なのか。それがわからない。それを解体しなければ、映画はSNSの危険性だけを煽ってしまうような感じもしないでもない。しかし映画としては十分すぎるくらいに胃もたれする数の危ない男たちのヤバさを提示するのは映画として大正解なのでしょう。


途中、イケメンが登場し性的行為目的ではないコミニュケーションだったということで、感動的なシーケンスに仕上がっているが、ただしイケメンに限る的なサムシングもあり、かつそれを感動的に仕上げる演出もあり、なかなか疑問を持ち帰らせるシーンだったようにもおもえる。ビジュアルにおける安堵みたいな感情の煽りもあり。なんともバランスが難しい。私は鑑賞時に見事に扇動されてしまったが、よくよく考えるとおかしいなと考えを改めた。


終盤のシーンは完全に「水曜日のダウンタウン」だと思った。ドッキリというか、リアリティーショー的なアクションになっていく。オチとしての強さと、映画としての溜飲を下げるシーンとしてはインパクトがあった。


とは言え、やはり男性側の心理が知りたいと思える内容。何故、そこまでして局部を見せつけたいのか。その間のコミニュケーションをすっ飛ばす心理はどうなっているのか。そちらの視点が補完されることで、初めてこのテーマと向き合える感じがしました。