明日、24日のガンプロはガンプロの中期によく参戦してくれたGENさんと力さんとのタッグマッチになる。パートナーは大家代表。ガンプロの7年の歴史の中で作り上げた歴史を物語にして戦える。それだけキャリアを重ねたし、それだけの年月が経ったということなんだけど、ここからまだまだプロレスが面白くなる感じがする。新規のお客さんにはピンと来ないかもしれないし、初期から見てくれているお客さんには逆にピントが合ったり、そういうカード。即ちそれって歴史だろう。

GENさんは2012年に脳梗塞で欠場をしている。だけどそこから凄まじい復帰へのモチベーションで、リハビリを続けてGENさんは2014年にカムバックした。その休場期間中にGENさんは病院で「ガンバレプロレスが気になる」と言葉を漏らしたという。

2014年からGENさんはガンプロのリングに上がるようになった。そして僕もGENさんと試合をしたりした。当時の自分はレスラーとして認められていないという存在であることを自他共に感じているそんな状況だったが、GENさんは当時から僕をしっかりとレスラーとして見てくれた。GENさんの視座が嬉しく、そして救いだったことを覚えている。

あるとき、GENさんにふと「どうやって病気を克服出来たのですか?」と訊いたことがあった。

するとGENさんは「やっぱりアドレナリンだな」と答えた。

何故かその答えにやたらと感銘を受けた。たかがアドレナリン、されどアドレナリン。
GENさんはずーっとプロレスを渇望し続け、リングを渇望し続けて、アドレナリンがドバーっとで続けたのだろう。アドレナリンは人間のそれこそ生命力を司るガソリンなのだなあと

そう考えると僕自身もアドレナリンが出続けている。
誰かにコケにされたり、下に見られても結局のところ、それをアドレナリンにして、悔しさに変えてここまできた。
自分にとってもアドレナリンというのは一つのテーマだったかもしれない。そう思えてくるくらいに、GENさんの言葉に背中を押されてきたと思う。

会う度にカラダがデカくなったことを褒めてくれたり。そうすることで、自分のレスラーとしてのプライドや気持ちにも厚みが出てきたように思える。

10月のグレースプロレスの帰り道はGENさんと一緒だった。もう器具を使ったトレーニングはしていないのだと、始発待ちの新宿駅のホームでスクワットをし始めたり、コスチュームはどんどんシンプルになり、膝パッドがなくなって黒いショートタイツとリングシューズだけになったGENさん。お手製のガウンで入場するGENさんは猪木さんのような風貌に見える。

そんなGENさんにずっと俺もアドレナリンが出続けているということを明日はぶつけたいと思う。
アドレナリンが何よりの特効薬だ。