21日のガンプロ興行は、大谷晋二郎戦でした。

試合が決まってからも両国2daysが間に挟まっていたり、親知らずが痛くなったりとコンディション作りがやや大変でしたが、いい緊張感で当日を迎えました。


大谷さんの入場曲が鳴った時、よくこの曲を聞いていたなあと思ったり。自分がプロレスを子供の頃から見ていて、そして大谷さんの試合を見て育っていたんだなと自分で振り返る時間になりました。やっぱり自分は大谷さんのプロレスに感動して生きてきたんだと。自分の中に溢れるプロレスへの記憶が感化されるのがこの大谷さんの入場曲「Believe S-Road

」だったと思います。


自分も最近行っているトレーニングや練習はとても充実していて。自分の力になっていること、自分の精神性がカラダになってきていると感じることがあります。それは当たり前のことなんだけど、それが当たり前になるまでに時間がかかってきた。今、33歳。いい歳になってきたけど、こうやって取り組めることに地に足がついてきた感じが嬉しくもある。だからそれを今回はぶつけようと思いました。


よくVTRの撮影で入江茂弘選手を取材したとき、入江さんのプロレス観の根底には大谷さんにかけてもらった言葉がずっとあって、それが今でもブレずにあるんだと聞いたことがよくありました。入江さんがプロレスや団体について悩んでるときも、必ず大谷さんに言われたことは信条として残っているというような感じ。大谷さんを通過したことで、残っているものが今でも入江さんにあって、入江さんは海外に羽ばたいている。入江さんが今でも心に刻まれている大谷さんから授かった何かというのは、僕も闘って感じることは出来るのだろうか、と頭に過ぎる。


そんな想いがあってもリングはやっぱり残酷で。大谷さんの百戦錬磨の強さ、しなやかな筋肉のパワフルさを肌でもって痛感した。投げる、張る、蹴る、極める、大谷さんの技はどれもシンプルで強烈だ。でもそれに呼応出来なければ、僕は失格になってしまう。ここで食らいつかなきゃ、プロレスラーをやっている意味がなくなってしまう。なにより、この熱くてたまらない攻撃に、しっかり応えて勝たないとと思いました。


何発エルボーを叩き込んでも大谷さんは倒れない。倒れない強さ、もっと打ってこないと倒れない。自分はがむしゃらでした。次の技に移行して、展開を変えようなんて気はもうサラサラなかった。エルボーで倒さないと、受け身をとらせないと。全力でペース配分無視で走り、打ち込みました。体重差約20kgの逆エビ固めで失神寸前でした。最後はスパイラルボムでガツンと。僕に余力はありませんでした。






いろんなプロレスがあって、自分はいろんなプロレスが好きで、だから雑食。でもいざ自分がプロレスをやる側になれば、どういうファイトスタイルかと聞かれれば、ただ一生懸命やっているとしか答えようがないスタイルと言えるものも確立されていなかった。ただ、今回の試合をやって、自分にそういうスタイルが確立されたとまでは言えないけども、キッカケは出来たのではないかと思う。


大谷さんがリング上でプロレスの教科書165ページに書かれている言葉を僕に授けてくれました。

プロレスの教科書は自己啓発本なんかじゃないんです。熱く、自分の人生を走り切りたい男たちの聖書なんだと思います。聖書というのはとても宗教的だけど、言ってしまえばすがるものでもあるかもしれない。でも僕はプロレスをやり続けて、はじめてすがるものが出来たんです。この先、いろんな葛藤や悩みが生まれるかもしれないけど、大谷さんに授かった言葉と、大谷さんとやった激しい試合で生まれた感情があるから僕は大丈夫だって、この先は言い聞かせられる気がする。時代によってスタイルも求められるものも違うけど、大谷さんと戦った15分は全部ベーシックでシンプルなものでも、確かなるプロレスだったはずで。33歳の僕がこの歳になって大谷さんとリングに迎えたことというのは、とてもいいタイミングだったと思います。





大谷さんはリング上で生き様を見せるんだと言いました。

生き様って何だろう。自分は選ばれた人間ではなくって、”もたらず者”だという自意識があります。選ばれた人間ではないが故の劣等感が沢山ありました。


でもプロレスを続けていくと、自分の言葉や自分の気持ちで戦えているなと感じるようになりました。自分がプロレスに取り組む姿勢や、感情は自分自身の内なるものから出たものがガソリンになっています。


最初の頃は 使っている技も言ってしまえばパクリと言われてもおかしくないようなものだったのだ、それが血となり肉となることで、今成というレスラーにとってなくてはならない技になりました。それは入場テーマ曲もそうで。自分というものを形作られた。そしてそれを今回ぶつけられたことにとても意義を感じます。


公私混道というフレーズも、自分を体現している生き様から生まれたフレーズです。公も私もない、自分が楽しまなきゃ損じゃないかという精神性が詰められています。それも生き様と言えるものかはまだ分かりませんが、伝わるまでやります。


今は劣等感が反骨心に変わっています。試合数の少なさも満足はしていないし、他のレスラーや他団体の興行を見ているとジェラシーも沸き起こります。総選挙というステージで、自分が同じ競争をした以上、そういった感情が湧いてきたのは必然だったと思います。映像の仕事と兼業しているから舐められるというのなら、その分カラダでも示したいという反骨心にもなります。何より映像制作にも自分が闘っていることで、明確な意識の変化や作り方のアプローチの違いなども出てきて、それは良い影響を与え合っていると自信を持って言えます。




次回ガンプロは3.9HEAT-UP道場大会、3.23板橋グリーンホール大会。

まだまだ勝負所は続きます。


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