新宿バルト9で『ブラックパンサー』を観てきた。評判もかなりよかったり、この映画のディティールや制作背景など既に多くのメディアでも語られているけど、僕はとてもいいプロレスリングを見てしまったかのような気分になり、最後は男泣きしてた。
本筋の話とは別にシンプルな王の座を巡る展開はプロレスの話のように思えてくる。「俺の方が相応しいはずだ」と挑戦者が名乗り上げ、きちんと1vs1の勝負になる。僕はこの1vs1の勝負をきちんと描いた点に監督の漢を感じた。そこを端折らずに、物語を紡ぐ。終盤のスペクタクルの高いバトルシーケンスもあるが、1vs1のシーケンスが途中途中でしっかりあって。後から調べると「クリード」の監督だった。それがリングだろうと、アフリカの崖だろうと、それが男と男の勝負所なんだってことを描く様に気持ちが入る。「ベルトを取る」っていうのはマーベルにもプロレスにも共通言語的なサムシングを感じるよね。
各脇役もニクい設定やら、可愛気があっていいなあ。みんな可愛い。女性戦士たちの活劇はパッションを熱くさせてくれた。
VFXも多くて、どこまで実写なのか、合成なのかは正直よくわからない。(あからさまな合成もあったけど)
それでも見ていてアフリカに行きたくなった。自然のエネルギーや民族の衣装、生活がどれも魅力的だったからだ。
男と男の決闘の末に、二人の男が広大な大地で夕日を見つめるのは最高だった。決闘に夕日。ロマンを感じる。
唯一、白人として活躍するCIA捜査官の乗り物での活躍もいい「ヒャッハー」感が出ていた。
なんといっても今回は悪者を演じたマイケル・b・ジョーダンの均整のとれた肉体と、ノレるヒールっぷりにはヤラれたなあ。「クリード」では主人公クリード。同監督作品でベビーフェイスからヒールに転向なんだ。でもそのどちらでも肉体とマスクの良さと、そしてハートの良さが滲み出ていた
それにしてもアフリカに行きたくなる。せめて沖縄からはじめてみよう。そう思えました。