兵庫県知事の進退について連日報道がされています。兵庫県知事を告発したとされる元局長に対して、元副知事主導のもと、非道な聞き取り調査が行われ、元局長は、あと数日の退職日を待たず懲戒処分となりました。異常な事態です。今後、一番大切なのは、告発した人を徹底的に守る制度を作ることですが、私はそれだけでは足りないと思います。

 元局長の行動に賛同し、知事に抗ったり、元局長を助けたりしたいと思った職員は少なからずいたのではないかと推測します。それが難しい状況だったのです。公務員が組織の権力者に対して声を上げられない、その原因の一つは退職金制度だと思います。退職金は、公務員にとって大切な収入です。満額もらうために定年まで働かないといけない、波風を立てられないという意識が働きます。そして知事が、元局長に懲戒の指示をだしたのも、退職金を減額するぞ、やらないかもしれないぞ、と罰を与えたように見えます。

 そこで、定年まで勤めてもらえる退職金を廃止して、働いている間に毎月分割して掛けてもらえる企業型確定拠出年金にするべきだと考えます。労働者側の終身雇用の意識も薄れ、組織の権力者に声を上げやすくなると思います。権力者も、懲戒をちらつかせて労働者を不当に支配することもなくなるでしょう。兵庫県庁さん、ぜひ考えてみてください。