ワタシは乳がん、妹は白血病。
2019年1月 私が全摘手術をしました。
2019年4月 妹(享年49歳)が亡くなりました。
2024年4月 妹のご主人(享年55歳)が亡くなりました。
テーマ別「cancer sister's」では当初妹のことを書いていましたが、義弟のことも加えていきたいと思います。
 
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妹のご主人である義弟が海外で亡くなったという連絡を受けてから数日間は、いつ誰がどんな形で遺体を引き取りに行くのかが決まらず、この後どうなっていくのかの想像もできず、ふわふわ・うつうつとした気持ちで時間が過ぎていきました。私も遺体の引き取りに行くつもりでいたのですが、義弟と血縁ではないという理由により、緊急発行される家族ビザがおりず、甥っ子と義弟のお姉さん・弟さんの3人が赴任地Mへ旅立っていきました。
 


今振り返ると、4月2日に訃報連絡を受けてから1週間ほどは、甥っ子も私も強いストレス状態にあったと思います。体調もすぐれず、この先どんな風に生活が変わるのか、不安でいっぱいでした。
 
血縁者三人に遺体の引き取りはお任せし、その間にこの後やるべきことを洗い出しておこう、とやっと気持ちを切り替えることができたのは、三人が赴任地Mに到着し、遺体の写真等を送ってもらい、本当に死んじゃったんだという実感が湧いてきた後です。
 
国内で亡くなった場合、一般的には葬儀屋さんが火葬許可を取るために役所に死亡の届出をします。死亡から7日以内に役所に行き、健康保険などの手続きをすることがルールとなっています。その後、死亡の記録が入った戸籍藤本を取って、銀行等への手続きの開始です。この7日以内というルールが、海外で死亡した場合は3ヶ月以内ということで、まずは遺体が国内に戻ってきて、外国の文字で書かれた死亡診断書とその日本語訳が役所に提出されないと、何も始まらない、ということがわかりました。
 
一般的に家族が死亡した時にやるべきことは、役所のHPなどにもガイドがあります(役所以外での手続きも含めて)。その情報を頼りにいろいろやるべきことを洗い出した結果、役所・銀行・義弟が所属していた会社などで手続きを進めていく類のものは、死亡の記録が入った戸籍謄本の取得ができれば、なんとかなりそうだけど、義弟のパソコンやスマホの中にある情報にアクセスできたら、もっといろいろわかるし、大事なものを失わずに済みそうだ、ということがわかってきました。
 


具体的な例で言うと、、、
例えば通帳。親世代はスマホを手軽には使えないので、銀行通帳の現物があり、死亡してパスワードがわからなくても記帳だけは可能です。記帳すればどんなお金が引き落とされていたかわかるわけですが、義弟はまだ50代で海外赴任ということもあり、デジタル化が進んでいるタイプでしたので、銀行通帳はWEB通帳に変更され、スマホの銀行アプリでお金を動かしていました。そのため、パスコードでスマホを開き、さらに銀行アプリのパスワードを入力しないと、WEB通帳を見ることができません。
 
赴任地Mで遺品整理をしていた甥っ子から、iPhone3台とiPad2台が見つかったけど、パスコードがわからないので、開けない、という連絡がきました。Appleに問い合わせをしましたが、死亡であろうが個人のパスコードは絶対教えないそうです。10回までなら失敗してもロックはかからないけれど、10回失敗したら、そのApple IDで行なっていたことには永遠にアクセスできなくなることがわかりました。Appleで対応してくれることは、全てを初期化をし、そのデバイスを新たに活用できるようにすることだけ。それじゃ意味ない。。。
 
Google accountも同様でパスワードがわかりません。彼が撮った写真や動画はGoogleDriveに全て保管されていました。私のPCからでも、Google accountとPWがわかれば、なりすましてアクセスすることができるのに、それもわからないままです。甥っ子は生まれたときからの全ての写真を失いました。



IDとPWを紙に書いて保存している人もいるかもしれませんが、友人複数人にこの話をしてヒアリングしたところ、ほとんどの人がスマホの中のメモに記録していました。だから、スマホを開くことができなければ、何もわからない、ということです。あらゆるものをデジタル的に登録することが求められる時代、これはもう少ししたら大きな社会問題になるのではないか、と思いました。

この問題に直面していた4月24日、いつもお世話になっている私のメインバンクの方とお話する機会がありました。義弟のスマホが開けず、PWがわからず、とても困っている、という話をしたところ、こちらのサービスを紹介されました。


自分の資産だけでなく、あらゆる情報を入力することができ、私が死んだら甥っ子にその内容が公開される、というもの。通帳や紙メモで残す時代じゃないからこそのサービス。さっそく申し込んでしまいました😅

まだ入力していないので、明日死んだら、何やっていたんだ、と甥っ子に叱られますが😉