理由は、2011年東日本大震災の直後に、こちらの経営者の方からFacebookに友達申請を頂いたこと。あの大震災の直後は、日本中が先が見えない空気に包まれ、被災地域でなくても旅行なんてしている場合じゃないって感じになりましたからね。次々キャンセルが入り、困った末の打ち手だったのだと思います。
その後、2015年に大涌谷の噴火で、箱根一帯から観光客が消えたこともありました。そして2020年からはコロナ。数年に一度、大打撃を受けながらも、たくましく人気宿になった一の湯さん。何しろコスパが抜群にいい、というのが、人気の秘密でしょう。
さらに、素晴らしいのは、古い建物を見事に“普通に”使っていること。入り口の扉から圧巻です。
浴室にあったポスター。
私は乳がんです、と言わんばかりの入浴着。同じ乳がんでも、隠したくなるほど、ひどく傷跡が残っている方もいるようなので、これを着けることは、もちろんまったく否定しませんが。
脱衣所の水場も、昔のまま、とても清潔に使われていて、好感が持てます。お掃除が素晴らしいに違いありません。
トイレも昔のまま。
階段の踊り場の鏡は、昔、流行ったんでしょうね。電話番号が31番としか書いてなくて、時代を感じます。
深夜、貸し切りになったので、撮らせていただきました👇
洗い場には、シャワーなどなく、冷たい水が出る水道と、目の前には温泉がためられたミニ浴槽(人は入れません)があり、身体や髪を洗うには、このミニ浴槽からお湯を汲んで使う仕組みです。この不便さを楽しめ、とは、ニクイ‼︎😆
お湯は塔ノ沢のアル単をしっかり味わえます。塩素入りにはなってますが、全然気になりません。湧き立ての鮮度の高さを実感できます。
この大浴場、人がたくさんいたら、カタチチにはちょいと入りにくいかも、ですが、貸し切りもあるからか、はたまた家族連れが多く何度も入らないからなのか、人がいっぱい入っている状況には、出くわしませんでした。
もっとも感激したのは、こちらの貸し切り風呂です。温泉業界(⁈笑)でも、あまり有名ではないと思いますが、もっと話題になっていいレベルです。
大正時代にイタリアから輸入した大理石ってすごすぎるし、湧出場所より低い位置に作ることで、源泉を引くという技術も素晴らしい‼︎
カタチチでも安心の貸し切り風呂、一湯の価値あり、です。
2023年2月24日 ★★★★