子どもの頃から梅雨明けが待ち遠しかった。

 それは夏休みが始まると、すぐに父親と富士山や上高地に出かけるからだ。関東甲信越は夏休みの始まりと梅雨明けが微妙に前後する。

 

 山行の1週間ぐらい前から天気図と睨めっこだ。

 今のように予報はマメではなく、ラジオの気象情報から天気図を作ったりした。いくら調べても梅雨明けが早まるわけではなかったが‥。

 

 

 中1の時、父と奥穂高岳に登った。

 梅雨明け間近ではあったが、すでに上高地から寒かった。

 霧と強風の中、初めて日本第3位の山頂に立った。

 霧で何も見えなかったけど、涸沢への下山途中、すぐ足下で雷鳥に出会うことができた。

 疲れで夕食後すぐに寝たが、父に起こされる。

 山小屋の外に出ると暗闇より星の面積が多いんじゃないかと思うほどの満天の星空だった。標高2500mの星空は一生忘れないだろう。

 次の日、梅雨明けの上高地は、登山客でごった返していた。

 

 今考えると、天気図との睨めっこは自分にとってのアクティブラーニングだったと思う。

 何よりもモチベーションが大事であり、大人から与えられたものではない。思春期の独学性学習も共通してるかな。