葛西紀明選手のW杯出場年齢ギネス更新に拍手を送りながら、息子の出ていないW杯を複雑な気持ちでTV観戦した。先月、COCで出場ができないことになって、札幌行きの便もホテルもキャンセルした。こんな状況でなければ、息子が出ていなくても日本チームの応援に行ったかもしれないが、気持ちも体の状態もそれどころではない。

 

 夕方に夕飯の支度をしていると妻から携帯に電話があった。台所仕事で気がつかなかった。

 電話に出ると「智文が至急連絡を取りたいそうだけど、父が出ない。すぐ連絡を。」との事だった。

 履歴を確かめると、確かに山形にいる息子からの電話が何度か着信していた。

 

 すぐにかけなおすが、不在着信。一体どうしたんだ?と不安になる。

 30分後にやっとつながる。「今、バタバタしていて‥後でかけなおします」用件はわからなかったが、声の感じからすると、それほど深刻な事態ではないらしいのでひとまずホッとした。

 

 妻が帰宅して夕飯の後、PCを開くと「息子さん、明日のW杯に出場するんですね。頑張ってください。」

 

 え〜〜っ! そんな事はあり得ない。第一、息子は山形市にいるんだから‥。

 ところが、FIS(国際スキー連盟)の出たばかりの明日のスタートリストに息子がゼッケン1番で載っている。昨年のW杯では、突然の選手病欠に葛西紀明が繰り上げ出場して世間は驚いた。決して期待していた訳ではないが、微かな予感が当たってしまったら、むしろ怖い‥。

 

 事態はSNSですぐに判明した。

 全日本の中村選手が体調不良のため明日は欠場する。それに伴いCOCポイントが次点だった内藤智文が急遽W杯に出場することになったのだ。

 

  拾う神あり‥ というべきなのだが、飛行機はもうないし、フェリーでは間に合わない。

 

 という訳で、現在、山形から青森(青函フェリー)に向かっているそうだ。夜通し運転してもトライアルは間に合わないが、なんとか予選には間に合って欲しい。

 

 さて、自分はどうするか?

「迷うぐらいなら、行ったら?」という妻の言葉で決めた。朝一番の便ならギリ間に合う。

そのために空港周辺のホテルを急遽予約する。じっとはしていられない‥