世界遺産登録遺跡⑪/12

青森県八戸市是川遺跡

 

 遺跡の複合体であり、亀ヶ岡に比べ遺跡の立地と範囲がはっきりとしている。

 市街地からさほど離れていないところでよく保存されていたものだ。

 やはり、国宝の合掌土偶や見事な藍体漆器(木製の漆製品・地下水が真空パックとなり腐らず出土した)の存在は大きい。

 遺跡自体は公園整備中で、遺跡公園化はまだ数年かかるそうだ。遺跡公園はわかりやすいが、大切なのは遺跡の相互関係、集落構造だと思う。世界遺産の登録は、遺跡本体の不動産にあり、出土品や復元施設は対象ではない。

 それにしても、ここの展示は圧倒される。

 学術的な意味とは別に、縄文文化の原始美術館として、十分世界に胸を張れるのではないか?と思う。

 方杖土偶の緻密な手作り複製品が3000円で販売されていたので購入。

 他で火焔土器のミニチュア7000円や遮光器土偶が14万円などと比べると極めてリーズナブルである。実は、縄文時代の土製品は手先の器用さ、実物の観察、製作方法で小学生でも極めて精巧なものができる。自分が学校に寄付した複製土器が、10年後某所で3万円で売られていたという笑えない経験すらある。

 手づくりであれば製造に手間がかかるけど、実は縄文人の心に少しでも近づくには「土器づくり」は最高の教材だ。