私は平凡な人生で無く波乱万丈な人生だったと思います。然しすべて終わりが良ければ、その苦労は思い出として心にのこると私は思います。それは今私が実感している事実なのです。

 人生には上り坂下り坂そして、ま坂があります。そのま坂は誰も予期せぬ事で人生が一変するのです。それは誰にも起こりうることだけれど、恙なく行く人の方が多いのでま坂に遭遇した人は受け入れられなく人生が大きく変わってしまい、人生を終わらせる人も少なくありません。

 私は人生の働き盛りの時、元気でパワー全開の時、ある朝起きて顔を洗って鏡を見たら、顔がぐにゃっと歪んで大きくズレていました。一瞬何が起こったのか分からず、鏡を何度もふくように撫でました。事実を突きつけられた時、オオカミの遠吠えみたいに大声で泣きながら家の中を走り回りました。帯状疱疹が耳の中にでき三半神経がマヒしてしまったけれど、耳鼻科に行けばよかったけれど脳神経外科に行ったため手遅れになり私は身体障害者の生活を余儀なくされました。耳鼻科、整形外科は回復の芽路なしで見放され地獄の日々が始まりました。私は神さまに問いましたが何か意味があってこの試練を与えられたのだと思い直しました。

近代医療で無理なら人伝えに針治療を聞き、良い先生がいて頼み込みました。保険のきかない治療費は長い時間がかかりましたが、ほぼ完治して障害者の気持ちが充分分かりました。

 まさかの坂は誰にでも起こりうることです。ただそれを想像して暮らす人はいないでしょう。だから突然やってくるその試練を受け入れられず自殺や自暴自棄になり人生を狂わせてしまうのです。自分を俯瞰して冷静になった時、必ず解決の糸口はあるのです。

 先日まさかの坂に苦しむ知人と話し、私の経験を話したら、家のローンが払えず手放すことで夫婦の危機なんて大した事では無いと言いながら帰りました。